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石の微笑 ~フランス映画祭より~ [い]

妖しげな雰囲気にすっかりやられました(笑)

25歳のフィリップ(ブノワ・マジメル)は、業績がトップで社長の覚えも良いセールスマン。
家族は母と二人の妹。母は美容師として女手一つで子供たちを育てており、
そんな母の苦労を見て育ったフィリップは
昇給すると家へ入れるお金を増やすような母親思いの息子だった。
上の妹の結婚式を1週間後に控え、家の中では準備に追われていた。
その中でフィリップはブライドメイトになっている一人の女の子の噂を聞く。
彼女は妹の結婚相手のいとこで、何故か自分をセンタという偽名で呼ばせると言う。
彼はその場では妹たちの会話を聞き流していたが
結婚式の当日、気になるブライドメイトを見つけた。
彼女こそが、噂のセンタだった…

フランスの巨匠クロード・シャブロル監督の描いた重厚なサスペンスです。
純粋で自分の欲望に素直だからこそ常識に囚われず
人の命を奪うことに罪の意識を持たない少女。
そんな彼女と運命の愛で結ばれ翻弄されていく男の運命が描かれていました。

ちょっとミステリアスで、真っ直ぐな瞳を持つ少女センタ。
一見、自由奔放で無邪気にも見えるような彼女は、フィリップとの愛が深まるにつれて
段々と奥底に潜ませている魔性を見せ始めます。
愛と信念を貫く行動が、段々と常識を超えて狂気の世界へと入っていくのです。
彼女の無邪気な笑顔はかわいくも見えて、だからこそ不気味さも倍増でした(^_^.)

そんな彼女への激情を止められずに翻弄されていくフィリップ。
まじめで常識を持ちながらも彼女への愛へとはまっていく男に
ブノワ・マジメルはぴったりでした。
この人は何と言うか、愛に翻弄される役が似合う人ですね。

地下室にあるセンタの部屋や、入り口から3階まで続く階段など
視線の移動にもちょっと不気味感を漂わせる構成で面白かったです。

こういう愛は理解できないなあと思いつつも
いつの間にか作品の世界に引き込まれてしまった1本です。


(070316)

追伸
映画を観た後のティーチインが面白かったです。
ブノワ・マジメルはリクエストに答えて歌を披露するなど、頑張って盛り上げてくれました。
この作品については、ストーリーのキーとなる石像とのからみ(?)が興味深かったことや
監督の撮影方法は無駄なテイクが少なく、またカメラワークや撮影環境が良いなど
時間切れになるまで随分と語ってくれました(^^)


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