アヒルと鴨のコインロッカー [あ]
伊坂幸太郎さんの同名小説を原作に映像化した作品です。
ずっと気になっていて、ようやく観てきました。
何とも言えないくらい切ない青春が描かれていました。
一人の青年・椎名（濱田岳）が新幹線に乗っていた。
目的地は仙台駅。彼は仙台の大学で学ぶために東京からやってきたのだ。
引越先のアパートへ着いた彼は、引越業者が運んできた荷物をほどきにかかった。
まずは音楽をかけようとラジカセを探すが見つからない。
そのまま作業を続けているうちにいつのまにか、
彼のお気に入りの曲、ボブ・デュランの『風に吹かれて』を英語で気持ちよさそうに歌っていた。
すると、隣の部屋に住む男（瑛太）が『デュラン？』嬉しそうに声をかけてきた…
私は実を言うと、伊坂幸太郎さんの作品があまり得意ではありません。
小説に描かれている、救いようのないような悪や不条理さがとても怖くて
どうしても拒否反応してしまう時があるからです。
純粋な悪をひたすら楽しんでいるような人々。
やっぱり気になって伊坂幸太郎さんの本を読んでいても、
そんな人が出てくる時はつい飛ばし読みを… していたのかも知れません…
今作を観ていても、まるで読んだことのない本のようにさっぱりとトリックを忘れていました(^_^.)
（その分、映画がとても面白かったです～）
ラスト近くになればなるほど、仕掛けられた罠に感心してしまいました。
それにしても、主人公・椎名を演じていた濱田岳さんはすごかったです～！
こんなに身近にいそうな存在感を身につけている俳優さんって、居そうで居ないです。
彼のどこかとぼけたような雰囲気は格別でした！
彼が居たからこそ、この映画がリアルに心に来るような作品なった気がしました。
避けようのない運命や純粋な悪にさらされた若者たちは、
まるで風に流されるように、それぞれの青春の坂道を転げ落ちていきました。
例え、それが納得の上で行なわれた行動の結果だとしても、
彼らの人生って何だったのだろうなあとしみじみ考えてしまった1本です。
監督：中村義洋 出演：濱田岳 瑛太 関めぐみ 松田龍平
2006年製作 日本
（070724）
こんばんは！
救いようのない悪や、不条理さは小説の中だけでなく、間違いなく
世の中に存在していると思います。
むしろ、そのような悪をきちんと描くことによって、対極をなす、
純粋であること、信念を持って誠実に生きることが、いかに大変であり
大切かを伊坂作品は語っているのでは？と思います。
それにしても、機会があればぜひ観て見たい映画ですね！
by みつかこねか (2007-07-25 22:31)
みつかこねかさんへ
おはようございます。
面白かったです！すごく見応えのある作品でした(^^)
> 純粋であること、信念を持って誠実に生きることが、いかに大変であり大切か
↑本当に実感させられました(T_T)
早く怪我を治して、また映画を楽しんでくださいね☆
by non_0101 (2007-07-26 07:01)
アートフル ドジャーさんへ
niceをありがとうございました。
by non_0101 (2007-08-04 22:49)
こんにちは！
TB&コメントありがとうございました。
私は、伊坂さんの小説にハマって最近何作か読んでいますが、nonさんの仰る『救いようのないような悪や不条理さ』という感覚はスゴク分かります！
私は、『血の通わない感じがする』とか思ったりしました。
それでもセンスのいい作家さんですし、ついつい手にとってしまいます。
そして、それなりに堪能出来たりします（笑）
『アヒル～』の原作は、トリックには引き込まれましたが、結末があまりにも切なくて、、、引いてしまうところもありました。
映画はキャストが良かったですし、少しだけ爽やかな雰囲気を持っていた気もします。
音楽も物語に合っていて、余韻の残る作品でしたね。
by 由香 (2008-06-08 12:09)
こんばんは。
コメント＆TBをありがとうございました！
伊坂さんは怖いのだけど気になって読んでしまう作家さんです(^^ゞ
最近は人があまり死なない作品を読む傾向があるので
哀しい死を読むのは辛かったりもします～
でも、読むといつも凄いなあと思います(^^ゞ
歌がキーの物語なので、歌が聴けたのが嬉しかったです。
本当に切なさが心に残る作品でした☆
by non_0101 (2008-06-08 23:36)