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カリフォルニア・ドリーミン(endless) ~東京国際映画祭より~ [か行]

ほとんど海外へ行ったことの無い私が一番海外のことを知るのは映画かも知れません。
もちろん映画は監督さんや製作者サイドの意向で作られているフィクションですけど、
風景や街並みそして言葉を紡いだ作品は、テレビ番組とはまた違ったものを伝えてくれる気がします。
この映画で観たルーマニアも初めて知ることばかりでした、

1999年コソボ紛争に参加するため、NATOに参加しているアメリカ兵士と軍事物資を乗せた列車が
ルーマニアからセルビアを経由して紛争地域へと向かおうとしていた。
ところが、その列車がルーマニアの田舎の駅で止められてしまう。
駅長へは事前に「首相から許可が出ているから通過させろ」と電話連絡が入っていたが彼はそれを無視し、
手続き上の書類が無いからと言って、足止めしてしまったのだ。
列車に乗っていたアメリカ軍の長官は苛立ちながら抗議するが、駅長は耳を貸さない。
実は駅長は村を牛耳っている陰の実力者で、村長も手が出せない人物だった。
それを悟った長官はある行動に出る。
しかし、駅長がアメリカ軍を嫌うのは、遠い昔の第二次世界大戦がきっかけになっていた…

戦争の傷跡は50年以上たっても癒されることは無いという現実。
そして、争いは続いていくという現実を見せられました。

田舎の素朴な村では外国人に会うことはめったに無く、アメリカ兵たちを喜んで歓迎します。
村のみんなには彼らの乗ってきた列車がアメリカ行きに見え、彼らに希望を抱いたのです。
でも、彼らは戦争に来ている兵士です。束の間の享楽は受けても、未来は戦争に通じているだけ。
そして、素朴な村も不穏な空気に飲み込まれていきました。

正直、物語の展開にはびっくりしました。
そして改めて、知識としては持っていても解っていなかったことの深さを感じました。

残念ながら監督さんが編集途中で交通事故により亡くなってしまったとのことです。
そのためか155分と長めですけど、いろいろなことを物語っている作品でした。
ご冥福をお祈りしつつ、歴史のことをもう少し考えてみようと思った1本です。

監督:クリスティアン・ネメスク 出演:ラズヴァン・ヴァスィレスク アーマンド・アサンテ
2007年製作 ルーマニア 原題:California Dreamin’(endless)
(071021)


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non_0101

アートフル ドジャーさんへ
niceをありがとうございました!
by non_0101 (2007-10-28 01:20) 

non_0101

たいちさんへ
niceをありがとうございました!
by non_0101 (2007-10-31 23:48) 

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