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ジャージの二人 [さ行]

長嶋有氏の同名小説を映画化した作品です。
何年にも渡る話なのに、のんびりとしたひと夏の長~い夏休みを見ているような
ちょっと不思議な感覚の作品でした。

ある暑い夏に、息子(堺雅人)がカメラマンの父(鮎川誠)に誘われて祖母の遺した山荘へとやって来た。
息子は仕事を辞めて小説を書こうと思い立っていたので、丁度いいと思ったのだ。
駅から車でドライブし樹木の間の細い道を抜けて、ようやく山荘へとたどり着いた二人は
早速、家の中を片付け始めた。
そんな中、息子はふと、携帯電話の電波が入っていないことに気付く。
この山間では電波が届かないのだ。
仕事のため東京にいる妻と携帯電話で連絡が取れないことにぼんやりした不安を覚えつつも、
のんびりした父との1週間が始まった…

すぐに迷ってしまいそうな山道と、“猪注意”の看板。
広い畑の中にある、携帯電話の電波が唯一届く場所。
東京では35℃なのに23℃で過ごせる別世界のような山の空気の中で
祖母の集めた多数の学校ジャージを着てのんびりと過ごす日々。
たくさん出てくるトマトもおいしそうで、観ていてちょっと羨ましかったです

でも彼らは家庭に問題を抱えていきます。
二人とも妻とは上手く行っていないのです。
父は現在、三度目の妻と暮らしていますが、どうも心が通い合っていない様子。
息子の妻は別の男を好きになってしまい、彼の子供が欲しいと言い始める始末。
でも、そんな問題は暑い都会にさて置いて、何にも無い山荘へとやって来たのです。

それにしても堺雅人さんと鮎川誠さんは最高のキャストですね~
二人のとぼけた雰囲気だけで、微妙な笑いがこみ上げてきます。
もちろん父と息子は心に悩みを抱えているので、能天気に過ごしている訳ではありません。
ぼーっとしていても、心の中はもやもやしているのです。
二人はそんな微妙な表情の変化を台詞に頼らず、静かに演じていました。

彼らの家庭の問題は翌年も続き、解決するようでしないようなあいまいな状況が続きます。
でも、やはり、少しずつ変化は訪れてきます。

そう、大人の問題は曖昧が続くのよね… でも、やっぱり女性の方が強い?と感じた1本です(^^ゞ

hitsuji_jersey-no-hutari.jpg

監督:中村義洋 出演:堺雅人 鮎川誠
2008年 日本
(20080802)

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コメント 6

たいちさん

こせこせした現実を離れて、スローライフを送るのに、魅力を感じますね。堺雅人は演技が上手になりましたね。機会があれば観たい1本ですね。
by たいちさん (2008-08-30 23:59) 

non_0101

DSilberlingさんへ
こんにちは。niceをありがとうございました!
by non_0101 (2008-08-31 10:37) 

non_0101

xml_xslさんへ
こんにちは。niceをありがとうございました!
by non_0101 (2008-08-31 10:40) 

non_0101

たいちさんへ
こんにちは。nice&コメントをありがとうございました!
主人公の気持ちをよく考えると切ないストーリーなのに
なぜかのんびりと癒された気分になる不思議な物語でした。
涼しい空気が画面から漂ってくるような気分になります☆
by non_0101 (2008-08-31 10:42) 

みつかこねか

Nonさん、こんにちは!
携帯も使用不可の山奥の山荘。
毎年、夏は仕事をせずに、そんな山荘でのんびりと過ごすのは、
大賛成です。
必見のDVDを山ほど携えて、1ヶ月ほどのんびりしたいです。
試写会でみた鮎川誠の鍛え上げられた肉体に、
感動しました。
by みつかこねか (2008-09-20 17:38) 

non_0101

みつかこねかさんへ
妻(都会)=携帯電話という図式が面白かったですね。
携帯電話が繋がらないから問題が先延ばしになるかと言えば、
妻に置いてきぼりにされてしまったのがちょっと可愛そうでした。
お父さんは娘と共に都会へと戻って行ったのに(^^ゞ
by non_0101 (2008-09-21 23:20) 

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