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花の生涯 梅蘭芳 [は行]

中国の伝統芸能・京劇の美に人生を捧げた名優・梅蘭芳[メイ・ランファン]の生き様を描いた作品です。
華やかな京劇の世界と、相反するような抑圧的な環境に生きた主人公の姿が印象的でした。

京劇の名家に生まれ、間も無く父を亡くした梅蘭芳は伯父に育てられた。
だがその伯父も梅蘭芳が子供の頃に
実母の喪に服していて西太后の誕生日に赤い服を着なかったという罪のため
紙の枷を付けられた挙句に処刑されてしまう。
伯父は梅蘭芳に、自由に生きることの大切さを書いた手紙を残していた。
やがて青年となった梅蘭芳(ユィ・シャオチュン)は、その美貌で絶大な人気を博するまでになっていた。
彼の演技は人々の心を捉え、人生をも変えるほどの影響力を与えていた。
ある日、彼は京劇について語られた講演を聴き、伝統という殻を破るような視点と
その自由な精神に感銘を受ける。
そしてその講演をした邱如白(ホンレイ)も梅蘭芳の演技に心を奪われ、
司法長官の地位を捨ててまで彼を支援していく道を選んだ…

主人公の孤独な姿に胸がつまりました(T_T)

新しい京劇を目指した梅蘭芳は、結果的に尊敬する師と別れてしまいます。
家に決められた妻とは愛を築けず
仕事では義兄弟の契りを結んだ邱に、京劇のためと行動を縛られ続けます。
心から愛せる女性・孟小冬(チャン・ツィイー)と静かな愛を育てたいと願っても
芸の道には孤独が必要だと別れさせられてしまいます。
大衆に愛され美しさで魅了していても、一人の人間としては自由な生き方は出来ませんでした。

それでも、舞台の上の主人公の存在感はすごかったです。
彼のために人生を変えた邱をはじめ身を引いた孟や、日本軍人でありながら梅蘭芳を守ろうとした少佐など
観る者全てを虜にするその演技は、多くの人に愛されました。
私は京劇というものを観るのは初めてだったのですけど、あの特殊な声の出し方も含めてびっくりでした。
特に青年の頃を演じているユィ・シャオチュンは伝統芸能を学んできた人だけあって、
舞台のシーンは本当に艶やかでした。

普通の生活を得たいと願いつつも、戦争の時代を超えて京劇に人生を捧げた主人公に圧倒されて
観終わった時に思わずため息をついてしまった1本です。

hitsuji_MEI-LANFANG.jpg

監督: 出演:レオン・ライ ユィ・シャオチュン スン・ホンレイ チャン・ツィイー チェン・ホン
2008年 中国 原題:MEI LANFANG
(20090225)

追伸
この映画は特別上映で観ました。公開は3月7日以降の予定です。

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コメント 5

non_0101

takemoviesさんへ
こんばんは。niceをありがとうございました!
by non_0101 (2009-02-28 22:30) 

non_0101

xml_xslさんへ
こんばんは。niceをありがとうございました!
by non_0101 (2009-02-28 22:31) 

non_0101

shinさんへ
こんばんは。niceをありがとうございました!
by non_0101 (2009-02-28 22:32) 

たいちさん

京劇は中国旅行時、一度だけ観ましたが、激しい運動量と際立った化粧に魅せられました。実在の人物の映画ですので、機会あれば観たいですね。
by たいちさん (2009-03-02 14:27) 

non_0101

たいちさんへ
こんばんは。nice&コメントをありがとうございました!
実在の名優の物語なので、とても大切に作られたと感じる作品でした。
建物も衣装もとても美しくて、京劇のシーンは本当に見応えがありました。
もしご覧になる機会がありましたら、芸術を堪能してくださいね☆
by non_0101 (2009-03-02 21:19) 

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