食堂かたつむり

小川糸著の同名小説を映画化した作品です。
原作は文庫本の発売と同時に手に入れたのですけど、映画を観てから読もうと待ってました。
登場する料理が本当に美味しそうで、観終わった時にすぐにお腹がすく作品でした(^^ゞ

山間の小さな町で生まれた倫子（柴咲コウ）。
彼女は母に不倫相手の子だから父はいないと言われた時から母を嫌いになり、
中学を卒業と同時に東京の祖母の元で大きくなった。
祖母は糠床を大切にしていて、彼女に美味しい漬物の作り方を教えてくれた。
彼女が東京で何をしていきたいかを悩み、とうとう“食堂を開きたい”と決心したその日。
祖母は彼女のために作ったおやつと糠床を遺して亡くなってしまう。
それからというもの倫子は朝から晩まで働きながら、開店資金を貯め始めた。
一緒に食堂を開きたいと思える恋人も出来て、とうとう店を決めようとした時、
恋人は家財道具とお金を持って消えてしまった。
そして、愕然とした倫子はその日から恋やお金と共に、声までも失っていた…

食べることは本当に大切なのだなあとしみじみ感じる作品でした～

母との確執を持ったまま大人になった倫子。
彼女は東京で得た全てを無くして、母の元へと帰って来ます。
本当は食堂を開くための資金を母に借りたかったのですけど、母はそんな倫子を笑っていなしただけ。
すっかり途方に暮れてしまった倫子は近所の頼りになる熊さん（ブラザートム）に相談します。
そして、物置小屋を改装して食堂を開くことを思いつきました。

心を込めて丁寧に作られた彼女の料理はとても繊細で美味しいです。
そして、その美味しさは食べた人の心をとても幸せにします。
ある時は料理に虫を入れられたりと営業妨害もされます。
そんな時、落ち込んだ彼女にいつもは素っ気ない母や優しい熊さんがそっと手を差し伸べてくれます。
そして彼女の素晴らしい料理を食べた時に人々が言う言葉“美味しかった”は
彼女の傷ついた心を少しずつ癒していきました。

それにしても、料理が素敵でした～
全体的に台詞が少なくて（主人公は声を失っていますし）役者さんたちの演技と
ファンタジックなCG映像で伝えていく物語なのですけど、
その中でもエピソードに応じて登場するそれぞれの料理が、雄弁に倫子の優しい心を映し出していました。

観終わった時、人は美味しい料理で心を癒せるものなのだなあとしみじみ思いました。
美味しい料理を美味しく食べることの大切さを感じた1本です(^^)



監督：富永まい　出演：柴咲コウ　余貴美子　ブラザー・トム　田中哲司　三浦友和　江波杏子　志田未来
2010年　日本
（20100121）

追伸
この映画は試写会で観ました。公開は2月6日以降の予定です。

コメント 24

セリフの少ない映画は、映像美や演技力が試されますね。でも料理が気になるので、機会あれば観たいと思っています。
by たいちさん (2010-01-22 10:44) 

genpatiさんへ
こんにちは。niceをありがとうございました！
by non_0101 (2010-01-22 12:38) 

ponchiさんへ
こんにちは。niceをありがとうございました！
by non_0101 (2010-01-22 12:39) 

はっこうさんへ
こんにちは。niceをありがとうございました！
by non_0101 (2010-01-22 12:39) 

たいちさんへ
こんにちは。nice＆コメントをありがとうございました！
とても料理が美味しそうでした～
料理の技術というよりは、心と手間をかけてじっくりと作り上げた手料理という感じです。
主人公の心が込められている分、本当に美味しそうに見えました。
機会がありましたら、チャレンジしてみてくださいね☆
by non_0101 (2010-01-22 12:42) 

釣られクマさんへ
こんにちは。niceをありがとうございました！
by non_0101 (2010-01-22 12:42) 

美味しいは　人をしあわせにする力があります！
by エコピーマン (2010-01-23 02:46) 

エコピーマンさんへ
こんにちは。nice＆コメントをありがとうございました！
“美味しい”のパワーの凄さを実感しました～
観ていて心が温かくなるような作品でした☆
by non_0101 (2010-01-23 09:39) 

JUNさんへ
こんにちは。niceをありがとうございました！
by non_0101 (2010-01-23 09:54) 

nobapapaさんへ
こんにちは。niceをありがとうございました！
by non_0101 (2010-01-23 09:54) 

aya_ruiさんへ
こんにちは。niceをありがとうございました！
by non_0101 (2010-01-23 09:55) 

トメサンさんへ
こんにちは。niceをありがとうございました！
by non_0101 (2010-01-23 09:55) 

まっきーさんへ
こんにちは。niceをありがとうございました！
by non_0101 (2010-01-23 09:56) 

＠ミックさんへ
こんにちは。niceをありがとうございました！
by non_0101 (2010-01-23 09:56) 

気になっている映画です。
by noel (2010-01-23 14:13) 

noelさんへ
こんにちは。nice＆コメントをありがとうございました！
料理が何とも美味しそうで、あれを食べたら幸せになるかなあと
登場人物たちがとても羨ましかったです(^^ゞ
ほっと出来る優しい物語でした☆
by non_0101 (2010-01-24 15:23) 

コントラストの強い鮮やかな色彩や、ＣＧやアニメーションを多用した映像表現は、私はこういうの凄く隙なんで楽しかったし、余貴美子さんの弾けた演技もパワフルで面白かったです。ただお話的にはルリコががんだと判明してからが、ストーリーをかいつまんで見せてるような、嫌に駆け足だったのが気になりました。^^;

by KLY (2010-02-03 02:59) 

KLYさんへ
こんにちは。コメント＆TBをありがとうございました！
先に観た友達に「松子」みたいと言われていたので、あのポップな雰囲気はすんなりと楽しめました。
私は出来たらもっと料理を紹介して欲しかったなあと思ったりもしましたけど
時間的には難しいですよね(^^ゞ
今、原作本を読んでいるので、読み終わったらもう一度映画にチャレンジしてみたいです☆
by non_0101 (2010-02-03 12:59) 

Ｎｏｎさん、こんにちは！
食事をした人がみんな幸せな気持ちになる。
大好きな映画「バベットの晩餐会」を思い出します。
柴咲コウの演技が素晴しく言葉はなくても、
さまざまな表情やしぐさ、体全体で表現していると
感じました。
おいしい食べ物は人を幸福にすると同時に、
憎しみさえも消し去り、気の合った人たちとの
会食のひとときは、何者にも代え難い一瞬なのですね！

by みつかこねか (2010-02-07 09:55) 

みつかこねかさんへ
こんにちは。美味しい料理の大切さを感じさせてくれる作品でしたね。
生きること＝食べること　なのだとしみじみ感じました。
主人公の料理が人々に歓びを与えていくシーンは楽しかったです。
心が傷ついて言葉を無くしてしまった主人公ですけど
食べることが人の心を左右するということを考えると
彼女の優しさと愛の深さを思い図ることが出来るなあと感じました☆
by non_0101 (2010-02-07 21:46) 

こんにちは☆
食材がめちゃくちゃおいしそうでしたね〜♪
帰りにまた料理本かってしまいました^^;
ちゃんと食べないとね〜☆
by ジジョ (2010-02-08 11:27) 

ジジョさんへ
こんばんは。nice＆コメントをありがとうございました！
美味しそうでしたね～☆
原作でも、本当に良い食材を選んで料理していました。
料理本を買うなんて偉いです！
そうそう、ちゃんと食べないとですね(^^ゞ
by non_0101 (2010-02-08 22:44) 

自分も原作がずっと気になっていたんですが、やはり映画を先に観てからと思っていました。
カラフルなアニメーションのふんわりとした雰囲気と、食堂かたつむりのひそやかなあったかい空気、それに心づくしの料理と、切ない展開なのに、ほっとできる作品でした。
余貴美子さんと柴咲コウさん親子のちょっとぎこちないんだけどただ少し不器用なだけ、でも本心ではちょっとだけお互いに寄り添ってる感じの終わり方は素敵で良かったです。
by ｃｓ (2010-03-14 23:39) 

ｃｓさんへ
こんばんは。nice＆コメントをありがとうございました！
観終わって読んでみると、原作の雰囲気をそのまま映像化したような作品だったのだなと感じました。
もちろん時間的に割愛されてしまっているエピソードもあったので
原作は原作でかなり楽しかったです。
出だしの主人公にとって衝撃のエピソードも、映画ではさらりと流していて
ちょっと心軽く観ることが出来て良かったです。
ラストの親子のエピソードは心に沁みました☆
by non_0101 (2010-03-15 00:46)