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深海 Blue Cha Cha [さ行]

水曜日だから何か映画を観たい~と渋谷を歩いていて、選んだのがこの作品です。
2006年に日本公開され、今回はシネマ・アンジェリカの“アジア映画祭り”でのリバイバル上映です。
“深海”というタイトル通り、心の揺らぎがゆっくりと静かに伝わってくるようなドラマでした。

刑務所から出所した(ターシー・スー)は、メモ書きの住所をもとに港町までたどり着いた。
刑務所で一緒だった姉貴分のアン(ルー・イーチン)を頼りにやって来たのだ。
クラブの経営をしているアンは、久々に会うアユーをむかい入れる。
アンにまだ薬を飲んでいるのかと聞かれたアユーは、止めたら危険だと医者から言われたと答えた。
アンはアユーが心の病を持っていることや、人に接するのが苦手なことを理解している唯一の人で
刑務所の中にいた時から目をかけてくれていた。
仕事が必要なアユーに、アンは綺麗な服を与えると自分の店で働かせる。
接客ではなくカウンターでグラスを洗う仕事だったが、彼女に目を留めた金持ちの客チェンは
彼女に一か月分程の稼ぎと同等の金を支払う条件で彼女を連れ出した。
アユーの不思議な態度に違和感を持ちつつも一晩を共にしたチェンは、
翌朝、また会おうと優しく言葉をかけてホテルの部屋から去った。
だが、アユーが何日待っていても、男から連絡が来ることは無かった…

恋をしても自ら壊してしまうようなアユーの姿がとても痛々しかったです(T_T)

アユーは儚げな雰囲気を持っている大人しくて優しそうな女性です。
そんな彼女は心の病を持っています。
彼女曰く、スイッチが切れないそうです。
特に、男から優しい言葉をかけられるとすぐに絆されて恋に落ちてしまい、
その想いに囚われて身動きが取れなくなってしまいます。

恋に落ちた彼女はいつも相手の傍にいたいと願います。
連絡をくれないチェンには電話を何度もかけて相手を怒らした上に、
店に来ても彼女に見向きもしない彼にとうとう怒りをぶつけてしまいます。
また、その後に出会ったハンサムで優しいシャオハオ(リー・ウェイ)とは同棲するまでになりますけど、
彼も彼女の存在が次第に疎ましくなってしまいます。
恋に偏執的になってしまう彼女を受け入れてくれる男はいないのです。

でも、そんな彼女はアンに救われます。
例え一晩で大金を手にした彼女を羨んでも、男と暮らすために出て行く彼女に怒りを覚えたことがあっても
姉御肌のアンはどうしてもアユーを見捨てることは出来ません。
自分でも男のために刑務所暮らしになったという経験を持つアンは
男のために哀しみを背負うアユーを突き放すことが出来なかったのです。
そんなアユーも最後に頼りにするのはやっぱりアンでした。

それにしても、不思議な雰囲気の作品でした~
極端に台詞が少なくて、時には映像だけで物語が綴られていきます。
その映像の中でも、儚げで陰のあるアユーを演じたターシー・スーの佇まいが印象的で
ルー・イーチンさんの演じたアンの不器用な優しさと共に心に残りました。
ただ、映像が美しくて印象的な反面、こういう作品が苦手な人は寝るかもと思ってしまいました(^^ゞ

ラストに登場した伝統芸能人形劇の巧みな動きに、主人公と同じように楽しんでしまいました。
何かを訴えるように海へ向かって叫ぶアユーの姿を観ながら、
ちょっとだけほっとした気持ちになった1本です。

hitsuji_shinkai-Blue-Cha-Ch.jpg

監督:チェン・ウェンタン 出演:ターシー・スー ルー・イーチン リー・ウェイ レオン・ダイ
2005年 台湾 

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コメント 23

えーちゃんaaa

私は映画館にもう何十年も行ってません(^^;;
映画は嫌いじゃないんですけど、中々行く機会がなくて・・・
by えーちゃんaaa (2010-05-23 15:26) 

non_0101

PENGUINGさんへ
こんにちは。niceをありがとうございました!
by non_0101 (2010-05-23 17:40) 

non_0101

えーちゃんaaaさんへ
こんにちは。nice&コメントをありがとうございました!
映画って家でもゆっくり観れちゃいますからね。
それものんびり出来ていいものです(^^ゞ
映画館へ行くと、つい次も観たくなってしまうのです~
予告編がみんな面白そうなのです☆
by non_0101 (2010-05-23 17:45) 

non_0101

aya_ruiさんへ
こんばんは。niceをありがとうございました!
by non_0101 (2010-05-23 23:59) 

一歩

こんにちは。
non_0101さんの「映画大好き」という感じが、大好きです^^♪
by 一歩 (2010-05-24 12:27) 

non_0101

モカさんへ
こんにちは。niceをありがとうございました!
by non_0101 (2010-05-24 12:32) 

non_0101

まっきーさんへ
こんにちは。niceをありがとうございました!
by non_0101 (2010-05-24 12:32) 

non_0101

えすさんへ
こんにちは。niceをありがとうございました!
by non_0101 (2010-05-24 12:33) 

non_0101

@ミックさんへ
こんにちは。niceをありがとうございました!
by non_0101 (2010-05-24 12:33) 

non_0101

おさむさんへ
こんにちは。niceをありがとうございました!
by non_0101 (2010-05-24 12:33) 

non_0101

あかしやさんへ
こんにちは。niceをありがとうございました!
by non_0101 (2010-05-24 12:34) 

non_0101

りぼんさんへ
こんにちは。niceをありがとうございました!
by non_0101 (2010-05-24 12:34) 

non_0101

一歩さんへ
こんにちは。やっぱり映画は好きなのです(^^ゞ
水曜日はつい見逃せない~と思ってしまいます☆
by non_0101 (2010-05-24 12:36) 

non_0101

釣られクマさんへ
こんにちは。niceをありがとうございました!
by non_0101 (2010-05-24 12:59) 

non_0101

RENさんへ
こんばんは。niceをありがとうございました!
by non_0101 (2010-05-24 23:28) 

non_0101

dorobouhigeさんへ
こんばんは。niceをありがとうございました!
by non_0101 (2010-05-24 23:29) 

non_0101

c_yuhkiさんへ
こんばんは。niceをありがとうございました!
by non_0101 (2010-05-24 23:29) 

aya_rui

言葉で訴えるのも大事だと思いますが
固定された解釈よりも、見るものに委ねた映像で
訴えかけるというのは、それぞれに感じるものがありそうで
寧ろ興味を惹かれますね。
確かに、眠気も誘うのかもしれないですけど
考えるという事は嫌いじゃないですね。
by aya_rui (2010-05-25 14:25) 

non_0101

エコピーマンさんへ
こんばんは。niceをありがとうございました!
by non_0101 (2010-05-26 00:51) 

non_0101

aya_ruiさんへ
こんばんは。コメントもありがとうございました!
何かをしている横顔とかの台詞の無いワンカットの映像が連なっているところは
面白いなあと思いながら観ていました。
映像をさり気無く映しているようで、
でも、何となく綺麗に感じられるところが良かったです☆
by non_0101 (2010-05-26 00:55) 

たいちさん

この映画は「高雄」が舞台らしいですね。私は数年前に台湾旅行をし、高雄へも行きましたので、少し懐かしいですね。どれくらい風景が描写されているのでしょうね。
by たいちさん (2010-05-26 15:12) 

non_0101

たいちさんへ
こんばんは。nice&コメントをありがとうございました!
この映画の舞台に行ったことがあるのですか。凄いです(^^)
ラストシーンの海&船の風景は印象的に映し出されていました。
あと、フェリーも上手く使われていました。
物語はかなり重くて切ないのですけど、人の優しさを感じられる作品でした☆
by non_0101 (2010-05-26 22:13) 

non_0101

なぎ猫さんへ
こんにちは。niceをありがとうございました!
by non_0101 (2010-05-30 16:00) 

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