彼女が消えた浜辺 [か行]
突然に消えてしまった一人の女性を巡るサスペンス＆人間ドラマです。
見逃していたのですけど、飯田橋のギンレイホールで上映されていたので、
久々に2本立てにチャレンジしてみました。
ラストにずっしりと来て、観終わった後にもしばらく余韻が心に残るような作品でした。
テヘランから海辺のリゾート地に向かって連なっている車の中に、ひときわ楽しそうな一団があった。
彼らは大学時代の友人で、それぞれの家族と共にバカンスへ来たのだ。
だが、いつもの別荘を借りようとすると、3泊の予定が1泊分しか予約されていなかった。
実は1泊分しか空いていなかったのだが、旅行を取りやめたくなかった企画者の
セピデー（ゴルシフテェ・ファラハニー）がみんなに事実を言わずに連れて来てしまったのだ。
他を探すにも、バカンス時期のリゾート地ではそうそう空きは無い。
みんなが困っていると、管理人が浜辺に窓ガラスが割れて汚れ放題の別荘があると教えてくれた。
とりあえずその別荘へ行ってみると、とても汚いが広くて4家族でも入れそうな家だった。
すぐ目の前が浜辺というのも魅力的で、大勢でいれば楽しく過ごせそうだった。
だが、セピデーが今回特別に誘った保育士のエリ（タラネ・アリシュスティ）は、
その様子に見て次第に顔を曇らせていった…
ラストへの展開はかなりショックでした(T_T)
大学仲間のバケーションの途中に失踪した一人の女性を巡る物語です。
失踪したのは、今年初めて参加したセピデーの知り合いのエリ。
彼女は保育園で働いている心優しくて美しい女性です。
実はセピデーはエリを友人アーマド（シャハブ・ホセイニ）とくっつけようと企んでいました。
アーマドはドイツでの結婚生活に終止符を打ったばかりで、
いい女性はいないかとセピデーに相談を持ちかけていました。
そこでセピデーの目に留まったのがエリでした。
アーマドも周りの友人たちもエリが気に入って、アーマドとの仲を盛り上げようとします。
でも、エリはその雰囲気を嫌がるように俯いて目を逸らせます。
何か事情があるようなのですけど、それはまだよく分かりません。
そして2日目になると、エリは帰宅しようとします。
数ヶ月前に手術をした母に1泊と言って出てきており、母には心配を掛けさせたくないと思っていたのです。
セピデーはエリのためにと引き止め、とりあえずエリは家に残って子供たちの世話をし始めました。
その時、海に入って遊んでいたショーレ（メリッラ・ザレイ）の長男が溺れそうになります。
男たちが慌てて子供を助け出した時、ふと気付くとエリはいなくなっていました…
それにしても、悲しい物語でした(T_T)
自由に生きたいと思った一人の女性が、運命に落ちていくように消えてしまいます。
そのことをきっかけに浮かび上がってくる真実に、仲間たちは追い詰められます。
彼らの焦っている姿に、イランの文化や考え方が見えてくるのが興味深かったです。
それは、私から見ればそれほど困った真実ではなかったのですけど、
彼らから観れば道徳や宗教とあいまって大きな罪になってしまうのです。
そして、彼らが下した判断の重さは、しばらくドーンと胸に来たままでした。
観終わった時、独特の倫理観と道徳観は女性には厳しい社会になっているのだなと感じました。
この世界の息苦しさがしばらく心に残ってしまった1本です。
監督：アスガー・ファルハディ 出演：ゴルシフテ・ファラハニ タラネ・アリシュスティ シャハブ・ホセイニ
2009年 イラン 原題：DARBAREYE ELLY/ABOUT ELLY
（20110327）
→公式サイトはこちらへ http://www.hamabe-movie.jp/
見逃していたのですけど、飯田橋のギンレイホールで上映されていたので、
久々に2本立てにチャレンジしてみました。
ラストにずっしりと来て、観終わった後にもしばらく余韻が心に残るような作品でした。
テヘランから海辺のリゾート地に向かって連なっている車の中に、ひときわ楽しそうな一団があった。
彼らは大学時代の友人で、それぞれの家族と共にバカンスへ来たのだ。
だが、いつもの別荘を借りようとすると、3泊の予定が1泊分しか予約されていなかった。
実は1泊分しか空いていなかったのだが、旅行を取りやめたくなかった企画者の
セピデー（ゴルシフテェ・ファラハニー）がみんなに事実を言わずに連れて来てしまったのだ。
他を探すにも、バカンス時期のリゾート地ではそうそう空きは無い。
みんなが困っていると、管理人が浜辺に窓ガラスが割れて汚れ放題の別荘があると教えてくれた。
とりあえずその別荘へ行ってみると、とても汚いが広くて4家族でも入れそうな家だった。
すぐ目の前が浜辺というのも魅力的で、大勢でいれば楽しく過ごせそうだった。
だが、セピデーが今回特別に誘った保育士のエリ（タラネ・アリシュスティ）は、
その様子に見て次第に顔を曇らせていった…
ラストへの展開はかなりショックでした(T_T)
大学仲間のバケーションの途中に失踪した一人の女性を巡る物語です。
失踪したのは、今年初めて参加したセピデーの知り合いのエリ。
彼女は保育園で働いている心優しくて美しい女性です。
実はセピデーはエリを友人アーマド（シャハブ・ホセイニ）とくっつけようと企んでいました。
アーマドはドイツでの結婚生活に終止符を打ったばかりで、
いい女性はいないかとセピデーに相談を持ちかけていました。
そこでセピデーの目に留まったのがエリでした。
アーマドも周りの友人たちもエリが気に入って、アーマドとの仲を盛り上げようとします。
でも、エリはその雰囲気を嫌がるように俯いて目を逸らせます。
何か事情があるようなのですけど、それはまだよく分かりません。
そして2日目になると、エリは帰宅しようとします。
数ヶ月前に手術をした母に1泊と言って出てきており、母には心配を掛けさせたくないと思っていたのです。
セピデーはエリのためにと引き止め、とりあえずエリは家に残って子供たちの世話をし始めました。
その時、海に入って遊んでいたショーレ（メリッラ・ザレイ）の長男が溺れそうになります。
男たちが慌てて子供を助け出した時、ふと気付くとエリはいなくなっていました…
それにしても、悲しい物語でした(T_T)
自由に生きたいと思った一人の女性が、運命に落ちていくように消えてしまいます。
そのことをきっかけに浮かび上がってくる真実に、仲間たちは追い詰められます。
彼らの焦っている姿に、イランの文化や考え方が見えてくるのが興味深かったです。
それは、私から見ればそれほど困った真実ではなかったのですけど、
彼らから観れば道徳や宗教とあいまって大きな罪になってしまうのです。
そして、彼らが下した判断の重さは、しばらくドーンと胸に来たままでした。
観終わった時、独特の倫理観と道徳観は女性には厳しい社会になっているのだなと感じました。
この世界の息苦しさがしばらく心に残ってしまった1本です。
監督：アスガー・ファルハディ 出演：ゴルシフテ・ファラハニ タラネ・アリシュスティ シャハブ・ホセイニ
2009年 イラン 原題：DARBAREYE ELLY/ABOUT ELLY
（20110327）
→公式サイトはこちらへ http://www.hamabe-movie.jp/
そらさんへ
こんにちは。niceをありがとうございました！
by non_0101 (2011-03-30 12:03)
異文化を垣間見られる映画のようですね。美人のエリも気になる存在ですね。
by たいちさん (2011-03-30 16:21)
イラン映画でもサスペンス映画があるのですね。
by なぎ猫 (2011-03-30 19:56)
たいちさんへ
こんばんは。nice＆コメントをありがとうございました！
イランという国の雰囲気が分かるような作品でした。
出だしの明るさと終わりの重さが何とも言えなかったです。
言葉の端々に出てくる文化は興味深かったです。
「みなしごハッチ」という言葉が出てきた時は、ちょっとびっくりでした(^^ゞ
by non_0101 (2011-03-31 00:06)
モカソフトさんへ
こんばんは。niceをありがとうございました！
by non_0101 (2011-03-31 00:06)
なぎ猫さんへ
こんばんは。nice＆コメントをありがとうございました！
出だしは青春映画っぽなと思っていたのですけど、
突然に女性が消えてしまって、その後は心理ドラマっぽかったです。
消えた原因が分かって、仲間がどのように対処するのか決まるまで、ドキドキでした☆
by non_0101 (2011-03-31 00:09)
webtrueさんへ
こんばんは。niceをありがとうございました！
by non_0101 (2011-03-31 22:21)
綾小路曽根斗さんへ
こんばんは。niceをありがとうございました！
by non_0101 (2011-03-31 22:22)
面白かったのですが、ちょっと後半は長いかなと思ってしまいました。
エリ役のタラネ・アリシュスティがいいですが、セピデー役のゴルシフテ・ファラハニも美しいです。
タラネ・アリシュスティが失踪する前の浜辺の描写が印象に残ります。
ラストはいいのですが、私もラストの展開での作中の人物たちの衝撃がピンとこなかったです。この点はイランの文化との違いですね。
この映画も朝日新聞の沢木耕太郎さんの映画評「銀の街から」で取り上
げられていました。
それで見たという理由は結構大きいです。
by きさ (2011-03-31 22:51)
イスラムの伝統的な価値観は、ある意味私たちのイメージどおりでも
あるのだけれど、そこを裏切って思いのほか“西側”（古いですねｗ）的
な行動をする彼らに驚かされます。
ところが、そんな彼らに慣れ様かというところで、やっぱりイスラムの
世界はイスラムの世界だと思わされる。戸惑いと驚きが混在する感じ
がしました。
by KLY (2011-04-01 00:05)
きささんへ
こんばんは。nice＆コメントをありがとうございました！
あの凧揚げの笑顔があるだけに、その後の展開がショックでした(T_T)
名誉の大切さや残された人たちの戸惑いの大きさは興味深かったです。
イランの文化や考え方がちょっと分かった気がしました。
それだけでも観て良かったと感じる作品でした☆
by non_0101 (2011-04-02 00:27)
KLYさんへ
こんばんは。コメント＆TBをありがとうございました！
本当に何も知らずに観てしまったので、テヘランという言葉が出るまで
この国はどこだろうと思いながら見ていました(^^ゞ
出だしは全く“西側”っぽかったですよね。
それだけに後の展開を観て、いろいろ考えさせられました☆
by non_0101 (2011-04-02 00:29)
tamagoさんへ
こんにちは。niceをありがとうございました！
by non_0101 (2011-04-02 12:54)
月夜さんへ
こんにちは。niceをありがとうございました！
by non_0101 (2011-04-02 12:54)
k_igaさんへ
こんにちは。niceをありがとうございました！
by non_0101 (2011-04-02 12:55)
artfuldodgerさんへ
こんにちは。niceをありがとうございました！
by non_0101 (2011-04-03 12:34)
erucatさんへ
こんにちは。niceをありがとうございました！
by non_0101 (2011-04-03 12:35)
ちび助さんへ
こんにちは。niceをありがとうございました！
by non_0101 (2012-01-26 08:53)