SOMEWHERE

ソフィア・コッポラ監督がヴェネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞したドラマです。
監督の作品は『ロスト・イン・トランスレーション』『マリー・アントワネット』の前2作を観ていたので、
今回はどんな作品を創り上げたのかなと楽しみにしていました。
主人公の孤独をしみじみと感じさせるような作品でした。

娘との絆を知った時、男は本当の空虚を理解しました。

いつも仕事に忙しいハリウッド・スターの心の揺れを描いた作品です。
実はストーリーを書こうとするとかなり難しいです。
端折ったら3行くらいになってしまいそうなのです^_^;
それくらい台詞が少なくて、でも余韻が残るような作品でした。

伝わるものは主人公ジョニー・マルコ（スティーヴン・ドーフ）の空虚です。
それは出だしの車で円の道路をグルグル回っているシーンから始まります。
正直、これは何の暇つぶし？と思うのですけど、それは主人公と同じ気持ちなのかも知れないなと
しばらく観ていて実感しました。
なにせ前半の主人公は撮影中のスタントの怪我もあって、何もすることが無いのです。
ホテルの中で他人を使ってひたすら暇つぶしばかり。そして時間が過ぎるのを待ちます。
観ている方も退屈です。
そんなに暇だったら、パソコンでずっとソリティアでもしてればいいのに…と思ったりしました。
（それでは映画にはなりませんけど(^^ゞ)

そんな彼の生活を一変させるのが娘クレオ（エル・ファニング）の登場です。
彼女が出てくるだけで主人公の気持ちと同じように映画も面白くなります。
本当の笑いと目的が日々の暮らしに生まれます。
その幸せを体験してしまった主人公はいかにこれまでの自分の生活が空虚だったかを実感してしまいました。

それにしても、この監督さんはブロンドの女の子が好きですね～
彼女たちが生き生きと動いている姿を撮るだけで幸せを伝えたいのですね。
2度のポールダンスやクレオのフィギュアスケートなど、女の子を躍らせるのが本当に好きだなあと感じました。
そして、そんな生き生きとしている彼女たちをボーっと静かに見ている主人公の対比は
明確に主人公の気持ちを伝えてくれました。

正直、「ロスト・イン・トランスレーション」の若い妻の不安な気持ちの方がよく分かった気がしますけど、
それは今作が男性目線の映画だからなのかなと感じました。
この次はまた女の子の映画を創って欲しいなと思った1本です。



監督：ソフィア・コッポラ　出演：スティーヴン・ドーフ　エル・ファニング　クリス・ポンティアス
2010年　アメリカ　原題：SOMEWHERE
（20110410）

→公式サイトはこちらへ　http://www.somewhere-movie.jp/index.html

コメント 20

父親と娘の関係は、難しいですよね。それをセリフを少なくして訴えているのでしょうかね。
by たいちさん (2011-04-11 16:10) 

たいちさんへ
こんばんは。nice＆コメントをありがとうございました！
無為に時を過ごしていた主人公の気持ちそのものを
ドキュメンタリータッチで伝えているような作品でした。
娘さんがとてもいい子なので、余計にパパとしては
考えてしまったのかも知れません☆
by non_0101 (2011-04-11 22:33) 

k_igaさんへ
こんばんは。niceをありがとうございました！
by non_0101 (2011-04-11 22:34) 

モカソフトさんへ
こんばんは。niceをありがとうございました！
by non_0101 (2011-04-11 22:34) 

kiyoさんへ
こんばんは。niceをありがとうございました！
by non_0101 (2011-04-11 22:35) 

ぷるたぶさんへ
こんばんは。niceをありがとうございました！
by non_0101 (2011-04-11 22:35) 

ですよね。ストーリーというかお話自体は別になんてことないですもん。
特に何かするってワケじゃなくて、ホント日常だし。
でも娘との日常って何だか凄く羨ましくて。いいよなぁ、こんな娘欲しい
よなぁって思ってしまいました＾＾
by KLY (2011-04-11 23:13) 

KLYさんへ
こんにちは。コメント＆TBをありがとうございました！
あんなに止まった感じの日常では虚しいですよね。
それだけに、クレオちゃんの存在がキラキラしていました。
いい子でしたね～　朝食まで作ってしまうし(^^ゞ
あんなに可愛い娘がいたら、ずっと一緒にいたくなりますよね☆
by non_0101 (2011-04-12 12:33) 

ねじまき鳥さんへ
こんにちは。niceをありがとうございました！
by non_0101 (2011-04-12 12:34) 

webtrueさんへ
こんにちは。niceをありがとうございました！
by non_0101 (2011-04-12 12:35) 

erucatさんへ
こんにちは。niceをありがとうございました！
by non_0101 (2011-04-12 12:36) 

yousanさんへ
こんにちは。niceをありがとうございました！
by non_0101 (2011-04-12 12:37) 

月夜のうずのしゅげさんへ
こんにちは。niceをありがとうございました！
by non_0101 (2011-04-13 12:49) 

そらさんへ
こんにちは。niceをありがとうございました！
by non_0101 (2011-04-13 12:50) 

ムースさんへ
こんばんは。niceをありがとうございました！
by non_0101 (2011-04-16 20:09) 

ソフィア・コッポラは好きな監督なので見に行きます。もう、結構な知名度のある監督のはずなのに意外と上映館が限られてるみたいでそれが残念。
ソフィアは基本的に”女の子はかわいいものが大好き”な女の子目線の映画がやはりうまいなあ、と思います。
by なぎ猫 (2011-04-16 23:14) 

なぎ猫さんへ
こんばんは。nice＆コメントをありがとうございました！
やっぱり“女の子目線”が得意な監督さんですよね。
今作は出だしは気が遠くなりそうだったのですけど、
エル・ファニングが登場してからは楽しくなりました。
やっぱり女の子が登場すると変わりますね☆
by non_0101 (2011-04-16 23:29) 

beamuseさんへ
こんばんは。niceをありがとうございました！
by non_0101 (2011-04-23 22:05) 

自分はほかの作品をちゃんと鑑賞できていないんですが、やっぱりこの作品、「ロスト・イン・トランスレーション」を裏返しているような雰囲気なんですよね。
ビル・マーレイとスティーブン・ドーフではもちろんだいぶイメージは違いますが・・・＾＾。
この無為な日常を眺めるような作品って自分は嫌いではないです（ただ、体調によっては成立しにくいですけどね）。
by ｃｓ (2011-06-12 13:01) 

ｃｓさんへ
こんばんは。nice＆コメントをありがとうございました！
主人公を捕らえる視点の置き方が「ロスト・イン・トランスレーション」を思い出させるような作品でした。
ただ「ロスト～」の方が分かりやすかった気がしたのは、やっぱり同性を描いていたからかも知れませんね。
今作は何となく分からない部分もあった気がしました。
もう一度見直してみたら分かるのかなとちょっと思ったりしてます(^^ゞ
by non_0101 (2011-06-12 22:22)