覚悟はしていたけれど、やっぱり哀しみでいっぱいになりました。

2001年9月11日ニューアーク空港発サンフランシスコ行きユナイテッド93便の様子を
ドキュメンタリータッチで描かれた作品です。
機内、連邦航空局や各地の管制センター、そして空軍の刻々とした状況が
同時に進行していきます。
ほとんどリアルタイムで進んでいるような中で
いつもの日常の光景から段々と非常事態へと移行していきます。
その緊迫感と迫力が怖いくらいに伝わってきました。

内容的には主義主張を織り込むというよりも出来るだけ事実に忠実に描いているので
人それぞれ思うところは違うでしょう。
私は、目的のためなら人を殺してもいい神ってなんだろうとか
アメリカの軍はあれだけ海外にはたくさんいるのに
自衛のための準備はしていないのだろうかとか
本当に危機に対峙した時に、自分だったらこんなふうに行動できるだろうかとか
いろいろなことを思いながら観ていました。

でも、最後はやはりショックで頭が真っ白になりました。

あの日はテレビを点けていたら速報が入ってニュースに変え、
2機目の激突をリアルタイムで観て、やはり呆然としたことを思い出しました。
そしてその後の状況を見ていて、こんな酷いことはもう二度と起きて欲しくないと願いました。
それなのに、相変わらず世界中に争いが存在し続けることがやるせないです。

パンフレットに載っている乗客と乗員のプロフィールを読みながら
この映画が亡くなった人たちへのレクイエムになりますようにと願ってやみませんでした。


(060826)