電力供給のために山地で鉄塔を建てる男たちの日常を様々な問題と共に描いたイラン映画です。
そんな男たちはどんな生活を送っているのだろうと気になってチャレンジしてみました。
イランの山間の美しい自然の中で働く男たちの物語は、
最初から最後まで、不安感と緊張感が漂ってくるようなドラマになっていました。
愛する方もされる方も辛いなあとちょっと思ってしまいました。
山間の小さな町で暮らす男たちの物語です。
ある日、町のお茶屋さんで、鉄塔の建設を仕切る男が人員の募集を始めました。
真っ先に手を上げたのはエムラン(ハディ・ディバジ)。
でも、男は笑って相手にしません。
実はエムランはテヘランの大学に所属する高学歴の持ち主で、そんな若者が命の危険のある
鉄塔の建設など行なわないと思ったのです。
でも、エムランは大学で電力のことを学び、2年間のインターシップ期間中で色々な現場を体験しており
今回も地元の作業に加わりたいと思っていました。
2度目に手を上げたところで納得した仕切り人はエムランの参加を決めます。
そして、彼の希望で一番危険な鉄塔の最上部での作業を行なうことになりました。
エムランにはじゅうたん店で働くモルード(ラダン・モストウフィ)という恋人がいました。
彼が帰郷した時にしか会えませんが、それでも相思相愛でお似合いのカップルです。
でも、そんな彼女を向かいの廃ビルの窓からじっと見つめている男がいました。
その男サマン(カムラン・タフチ)は鉄塔の建設のプロで、仲間から一目置かれている男です。
しばらくすると、彼はモルードに求婚をほのめかし始めます。
そんなサマンが今回の鉄塔建設でエムランとペアを組むことになってしまいました。
それにしても、激しい人たちですね~
愛する人を自分のものにしたいがためにとる行動には、理解は出来るけど怖いなと感じました。
ただ、そんな愛憎の物語よりも印象的なのは、イランの自然の美しい風景と、
危険を伴う仕事に誇りを持つ作業員たちの心意気です。
彼らは信頼と仲間意識で共同生活をしながら、人里離れた山間で作業を続けます。
そんな彼らの生活が見られたのは面白かったです。
恐らく行くことのないイランという国が少しだけ垣間見れた気がしました。
観終わった時、小さな旅をした気分になった1本です。
監督:モハマド・エブラヒム・モアイェリ 出演:ハディ・ディバジ ラダン・モストウフィ カムラン・タフチ スィヤマク・アテラスィ アリ・オウスィヴァンド
2011年 イラン 原題:LIFELINE/GALOOGAH
(20121021)