二人だったからこそ生きてこられたのだなあと思いながらスクリーンを見つめていました。
ジョイ(ブリー・ラーソン)と息子ジャック(ジェイコブ・トレンブレイ)の日常から始まる物語です。
二人は全てが揃っている狭い部屋に暮らしています。
とても仲良しでいつも一緒。優しい母親と元気な男の子で、普通の母子です。
でも、普通でないのは、オールド・ニック(ショーン・ブリジャース)に常に閉じ込められていること。
彼は17歳のジョイを誘拐し、彼女に産ませた自分の子供と一緒に納屋に監禁しています。
鍵は電子ロックで破ることは出来ません。窓は高い屋根に天窓が一つだけです。
日に当たることのできない状況ではビタミン剤が欠かせません。
特に5歳になったばかりジャックには健やかな成長のためにも絶対に必要なものです。
しかし、彼は不景気で自分が無職になっていることを告げ、もう持ってこられないと言います。
自分たちの命の危機が迫っていると感じたジョイは何とか逃げ出そうと計画を考え始めました。
それにしても、ジョイは本当に厳しい人生を強いられてしまいました(T_T)
17歳の少女に何と言う運命を負わせたのでしょう。
誰もが絶望で死を選ぶかも知れないと思えるような長い7年間です。
彼女がその長い時間を生きてこられたのは、息子ジャックの存在がいたからこそです。
彼女は必死に愛する息子を守ろうとし、息子のために脱出を決心します。
日常から脱出までの展開は、もう本当にドキドキしながら見守っていました。
でも、犯人から解放されてずっと願っていた実家へ帰ってきたジョイは事件に苦しめられ続けます。
7年もの時は彼女の心を痛めつけ、消えない記憶と共に彼女を打ちのめしていました。
解放されて自分の現状と向き合わなければならない状況に陥って絶望に苛まれた時に、
彼女を救ったのは息子のジャックの存在です。
大切な母親を助けたいと起こしたジャックの行動がジョイを救います。
その真っ直ぐな愛情には胸が熱くなりました。
観る前は事件が辛いものだけに観ていて辛くなるかもと思っていたのですけど、
観終った時には心が温かくなっていました。
親子の絆をしみじみと感じた1本です。
監督:レニー・アブラハムソン 出演:ブリー・ラーソン ジェイコブ・トレンブレイ ジョアン・アレン ショーン・ブリジャース ウィリアム・H・メイシー トム・マッカムス
2015年 アイルランド/カナダ 原題:ROOM
(20160420)
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公式サイトはこちらへ http://gaga.ne.jp/room/