アイルランドの人気作家セバスチャン・バリーの同名小説を映画化したヒューマンドラマです。
予告編を観て、一体なにが起きてしまったのだろうと気になっていました。
あまりにも酷い運命に、こんなことがあっていいのかと神さまに訴えたくなるような物語が綴られていました。
病院を転院する患者たちの再診を依頼された精神科医スティーヴン・グリーン(エリック・バナ)は
40年間も病院に収容されていたローズ・F・クリア(ヴァネッサ・レッドグレイヴ)と出会います。
彼女は自分の赤ちゃんを殺した罪を犯したとされていました。
でも、本人はその第二次大戦中に起きた事件を否定していて、さらに赤ちゃんは生きていると信じています。
また、名前もローズ・F・クリアではなく、結婚してマクナルティという姓になったと主張していました。
ローズの精神的な強さを感じたグリーン医師は、彼女の診断を保留します。
そして、彼女が隠し続けていた聖書に書かれていた言葉を読み始めた時、
その人生に引き込まれていきました。
それにしても… 本当にひどい運命というか、切ない物語ですね(T_T)
ある意味、これは魔女狩りのようだと感じました。
美しさは罪なのでしょうか。
神父に奪われた40年の時間と命を掛けて産んだ息子を返してあげたいと願ってしまいました。
また、英国とアイルランドとの深い確執も彼女の運命を狂わせてしまった…と感じました。
そして、何と言っても俳優陣が豪華ですね。
純真な40年前を演じたルーニー・マーラの美しさと不思議な存在感。
全てを耐え抜いた40年後を演じたヴァネッサ・レッドグレイヴの目力の強さ。
この二人が揃ったからこその作品だなと感じました。
また、40年後に真実を知ることになった医師を演じたエリック・バナの誠実さを感じる演技も良かったです。
もちろん、彼女の人生を狂わせた神父を演じたテオ・ジェームズや、
彼女の運命の相手を演じたジャック・レイナーの存在感も印象に残りました。
こんな運命を背負わされても、救いを感じる展開にちょっとほっとしました。
観終った時、彼女のこれから人生はきっと満たされるねと感じた1本です。
監督:ジム・シェリダン 出演:ルーニー・マーラ ヴァネッサ・レッドグレイヴ ジャック・レイナー テオ・ジェームズ エリック・バナ
2016年 アイルランド 原題:THE SECRET SCRIPTURE
(20180220)
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