私の日々の楽しみのひとつ、通勤電車の中で読んだ文庫本の中で面白かった本の感想です。
今回の本は『首都感染』です。
『首都感染』 高嶋哲夫/著 講談社文庫高嶋哲夫さんの本を読むのは初めてです。
この『首都感染』は今、とても話題になっていたのでチャレンジしてみようと思いました。
もともとは2010年に書き下ろしの単行本として出版された小説です。
でも、途中まではつい最近の出来事のように思えてくるほどリアルでびっくりしました。
物語の中ではワールドカップサッカーで盛り上がっている中国で発生した新型インフルエンザが
各国から集まったサポーターと共に全世界のあらゆる所へ広がって行きます。
その新型インフルエンザはとても毒性が強くて致死率も前代未聞の高さでした。
中国が発表する前に情報を得た日本は国際空港での検疫をすぐに開始し、
次に航空機、船ともに全ての国際便を止めてしまいます。
最終的には発生を東京都内だけで収めるため、電車も道路も通行止めにして人の流れを止め、
都内を隔離して、ここからウィルスが出てこないようにしてしまうのです。
そして、ウィルスが収まるまでの3か月余りの戦いの様子が綴られていきました。
これは物語なので現実とは違いますけど、やっぱり厳しい局面での対応の難しさが伝わってきます。
色々考え始めると、重大な決定をするのはよほどの根性が無いと出来ないのかも知れません。
物語の主人公はスーパーヒーロー的な人なので、そこは頑張りますけど
状況が悪化するにつれてやっぱり挫けそうにもなりますし…
テレワークには程遠い会社に勤めている身としては、毎日のニュースにドキドキしています。
せめて、危機迫っている医療崩壊が起きる前に収束して欲しいと願わずにはいられなかった1冊です。
(20200404)