私の日々の楽しみのひとつ、通勤電車の中で読んだ文庫本の中で面白かった本の感想です。
今回の本は『雲の王』です。
『雲の王』 川端裕人/著 集英社文庫川端裕人さんの本は『夏のロケット』で出会ってから何冊か読んでいます。
最近では『青い海の宇宙港 秋冬篇』と『青い海の宇宙港 春夏篇』の文庫本です。
本格的にロケットを飛ばしている主人公たちの姿をワクワクしながら読みました。
横浜ではGW最終日5月6日の夜に強烈な雷雨!断続的な雷雨が夜中まで続いていました。
テレビを観ていたら家中が真っ暗になり、久々に停電(ほんのちょっとです)にも遭いました。
今回の『雲の王』は 2011年に雑誌に連載された後に単行本と文庫本で出版された小説です。
文庫本で購入してから、何度も読み返している好きな1冊です。
“台風という名前の怪獣がやってきて、夜、町ぜんたいが停電した。”という出だしで始まります。
前夜の天気で翌日の通勤のお供は『雲の王』に決定しました(^^ゞ
主人公は関東北東部にある高層気象台に勤務するシングルマザーの南雲美晴さん。
野球好きな小学六年生の息子・楓太くんと二人暮らしです。
彼女は匂いに敏感で天気の変わり目を匂いで感じ天気を予測することが出来ます。
何と言っても雲を観るのが大好きな彼女にとって、気象台は最適な職場でした。
でも、行方不明の兄から住所だけの手紙が届いたことから平穏だった日常が変わっていきます。
幼い頃に交通事故で亡くなった両親の故郷の人々との出会い。自分の血筋の秘密。
そして、能力を持つ彼女に課された役割との葛藤。
巨大台風の接近を食い止めようとする怒涛のクライマックスまで目が離せない展開になっていきます。
何度読んでも面白くて、台風と対峙するシーンなどはいつも一気に読んでしまいます。
今回も、全体を二日がかりで読んでしまいました(^^ゞ
読み終わった時、何となく『天気の子』を思い浮かべました。
あの監督さんなら、この雲をどんなふうに描くかなとちょっと想像した1冊です。
(20200508)
雲の王 (集英社文庫)
- 作者: 川端 裕人
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2015/07/17
- メディア: 文庫