『育休刑事』 似鳥鶏/著 幻冬舎似鳥鶏さんの本は『理由(わけ)あって冬に出る』で出会ってから何冊か読んでいます。
最近では文庫『難事件カフェ』(『パティシエの秘密推理 お召し上がりは容疑者から』 改題)。
意外に重い展開のサスペンスに驚きつつも、今月発売の『難事件カフェ2』も気になっています。
今回の『育休刑事(デカ)』は1年ほど前に単行本で出版された小説です。
単行本はあまり買うことは無いのですけど(持ち歩きにくいので^^;)、
この本は表紙が可愛くて書店の店頭で見かけた時に思わず手にしてしまいました(^^ゞ
主人公は秋月春風巡査部長です。
彼は県警本部捜査一課所属の刑事で、現在は息子・蓮くんを育てるために育休中!
近所に買い物に行くのも7キロの蓮くんを抱えつつ、蓮くん用大荷物を抱えているので大変。
でも、蓮くんは道行く人に声をかけられるとニッコリと天使の笑顔を見せてくれるいい子なのです。
たまに妻・沙樹さんの親友で春風の姉の解剖好きな准教授が弟のもとに遊びに来ます。
彼女の目的は何と言っても蓮くんと会って遊ぶこと。
いつも弟から蓮くんを奪い取ると、思いっきり楽しんでいます。
でも、この春風&蓮くん&姉のトリオはよく事件に巻き込まれます。
蓮くんは三か月の時に事件現場に居合わせ、六か月の時に事情聴取に居合わせ、
七か月の時には大事件の発生現場に居合わせているのです。
(お父さんとしては将来はどんな子に成長するのか今から心配になりそうですね^^;)
ただし、春風&お姉さんのコンビはなかなかの切れ者で推理力も抜群です。
小さなヒントをもとに事件の真相を見つけていきます。
そのヒントが蓮くんのふとした動作というところも楽しかったです。
作者の子育ての実体験がふんだんに取り入れられているようで、子育てバッグの重さとか
チャイルドシートの使用の難しさとか、なるほどと思えてくることも色々登場しました。
全体的にリアルな雰囲気で面白かったです。
事件はなかなか怖いですけど、蓮くんはめちゃくちゃ可愛かったです。
読み終わった時、また蓮くんに会いたいなあと続編を期待したくなった1冊です。
(20200510)
育休刑事
- 作者: 似鳥 鶏
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2019/05/23
- メディア: 単行本