コロナ後に最初に劇場で観た映画はこれでした。
大友克洋監督が1988年に製作した、2019年の東京を舞台にした近未来SFアニメです。
昔、テレビで観たことがあったはずなのにほとんど覚えていない…のでチャレンジしてみました。
予想以上に凄い世界観に、これが30年以上前に創られたのかと改めて感動しました。
1988に東京が爆撃されてから31年後の2019年。
東京湾上にはネオ東京が作られ、翌年のオリンピックを控えて都市は活気を取り戻し始めていました。
廃墟となっている旧東京は、暴走と暴力抗争を繰り広げるグループたちの遊び場となっていました。
ある夜、グループのリーダー・金田(岩田光央)は暴走中に敵対グループと遭遇します。
一戦交えた後、金田は引き時とみて怒る敵を残すと素早く離脱しました。
金田を慕いつつもライバル心を燃やす鉄雄(佐々木望)は敵を深追いして逃げる方向を見誤り、
研究所施設から逃げ出して来たタカシ(中村龍彦)と彼を追う大佐の一団に遭遇してしまいます。
タカシを捕らえた大佐(石田太郎)は、ついでに重傷を負った鉄雄も拾うと去っていきました…
それにしても、圧倒される作品でした~
画面いっぱいに緻密に書き込まれた世界は異様なのにとてもリアルに見えました。
金田たちを取り巻く未来の見えない状況やその憤りもリアルに伝わってきます。
また、結果に惑わされていく科学者や新興宗教に惹かれていく人々など、
人々の行き場の無い不安定な心情もリアルに感じられました。
そして、何と言っても何が起きるのか見えない不安感がすごかったです。
ラストは想像を超える展開になっていきましたけど、それだってとりあえずの応急処置という感じで
未来は良くも悪くも不安定だなあと感じてしまいました。
そして、だからこそ目の前に起きていることをきちんと理解して
真剣に立ち向かわなければならないのねと感じました。
さすがに名作は30年以上が過ぎても大きなスクリーンで観る価値がありますね~
観終わった時、この映画にスクリーンで出会う機会があって良かったなと思った1本です。
監督:大友克洋 声の出演:岩田光央 佐々木望 小山茉美 石田太郎 草尾毅 中村龍彦 伊藤福恵 神藤一弘
1988年 日本
(20200609)
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