私の日々の楽しみのひとつ、通勤電車の中で読んだ文庫本の中で面白かった本の感想です。
今回は『ランドスケープと夏の定理』です。
『ランドスケープと夏の定理』 高島雄哉/著 創元推理文庫史上最高の天才物理学者の姉にいつも振り回されている弟ネルスが主人公のSF連作短編集です。
時は21世紀の半ば。地球から月までの距離よりも四倍ほど太陽から遠ざかる地点に
長期滞在型研究施設L2が作られ、多くの国が共同で運営し実験をしています。
L2で実験三昧の姉テオは、たまに弟ネルスを呼び付けては弟を実験台にしてます…
と言っても、テオは自分に自信しかない人ですし、弟も姉を信頼している上に深く理解もしている
本当に出来たいい弟です。
そして、世界を変えるほどの革新的な出来事や事件が起きていきます。
「ランドスケープと夏の定理」「ベアトリスの傷つかない戦場」「楽園の速度」この3作の短編の中で彼らは新しい宇宙を発見し、未来の理論を展開してテロを防ぎ、
最後は地球全体に及ぼすほどの画期的なことを起こします。
正直、私はそれほどSFが得意ではありません。
この本もさっぱり解らない言葉がてんこもりです!
それなのに、何故か面白く読めました(^^)
解らないのに、何となく絵が思い浮かぶような作品なのです(^^ゞ
小惑星帯に浮かんでいた小惑星の一つをピックアップして割ったら、
その中に別次元の宇宙が存在しているなんて想像しただけでワクワクします~
しかも、その宇宙を見つけた理由が凄いです。宇宙を私用に使って何かをしようなんて
天才は考えることもやることもめちゃくちゃで面白いなあと思いました。
あと、やっぱりネルスがいい子なのがいいですね~
超天才の姉を身近に見ているためか、自分もかなりの天才なのに自覚が無い(^^ゞ
そして、素直で人情深くていつも真面目で一生懸命な奴です。
こんな弟がいたらいいなあと思うような子でした(^^)
真面目なネルスも破天荒なテオも、時間と共に人生を歩んでいく姿を見られるのも楽しかったです。
読み終わった時、彼らがどんな人生を送っていくのかもっと知りたいなあと思えてくる1冊でした。
(20200902)