私の日々の楽しみのひとつ、通勤電車の中で読んだ文庫本の中で面白かった本の感想です。
今回は『額装師の祈り 奥野夏樹のデザインノート』です。
『額装師の祈り 奥野夏樹のデザインノート』 谷瑞恵/著 新潮文庫額装師の夏樹さんが様々な依頼に出会いながら心の傷を癒していく単行本『額を紡ぐひと』の文庫本です。
目次は
1 宿り木
2 小鳥鳴く
3 毛糸の繭まゆ
4 水底みなぞこの風景
5 流星を銀器に入れて
宿り木の枝、いなくなってしまった小鳥の声、古い毛糸玉に川の底から見た水の絵、
そしてカレーポット。
何でも額装してしまう夏樹さんのもとには不思議な物の依頼が舞い込んできます。
どれも、依頼人にとっては額装して大切に保管して置きたい宝物です。
引き受ける夏樹さんも困難な依頼を受け止めながら、彼らの気持ちに沿って額を作っていきます。
その額には依頼人の心の奥底にある本当の気持ちが映し出されていきます。
そして、出来上がった額はどれもが依頼人の心を癒す素晴らしい作品になっていました。
私はたまに美術展へ行くことがありますけど、絵には注目しても額はあまり気にしていませんでした。
時には豪華な額に出会うと苦手だなと思ったりすることも…
でも、この物語に出会ってちょっと反省しました。
今度、洋画を観ることがあったら、額もちゃんと記憶にとどめておこうと思った1冊です。
(20201221)