めちゃくちゃ切ないラブストーリーでした。

志郎(柳楽優弥)は高校を卒業して、春からガソリンスタンドで働き始めた。
大学進学を希望していた両親は大反対するものの、
アメリカかぶれの祖母<グランマ>(夏木マリ)の後押しもあって希望の職についたのだ。
そんなある日、乃里子(沢尻エリカ)が新しいバイトとして入ってきた。
彼女の顔を見た志郎は、先日、雨の中でみかけた女の子だと気が付く。
彼女のことが気になり始めた志郎。
そして、その気持ちはだんだんと“初めての恋”に変わっていった…

きれいで切なくて優しくて、恋をしたことがある人なら誰でも
胸に響いてくるようなストーリーでした。
一緒にいるのが楽しくて、大好きでたまらないという気持ちがあふれています。
そして『冷静と情熱のあいだ』の中江功監督と言われるとなるほどと思うほど
映像に雰囲気があってきれいでした。

柳楽優弥くんも沢尻エリカさんも良かったです。
柳楽優弥くんは『星になった少年』を観た時は、う~ん…と思ってしまったのですが
今回の作品ではとてもいい感じでした。
本当に普通の等身大が似合っていて、そして普通なのに印象的な人です。
こういう無理の無い路線で成長していって欲しい役者さんです。
また、沢尻エリカさんは本当にキュートでかわいくて、“初恋の人”にぴったりでした。

そして、何と言っても夏木マリさんがカッコいいです~!
彼女の演じたグランマは70歳になっても恋と人生を謳歌している女性です。
人生の先輩として若者たちの恋の行方を優しく、
また時にはちょっと遠くから静かに見守ってくれます。
そのグランマの言葉ひとつひとつが素敵なのです。
いつの日か、こんなふうに人生を語れるようになれたらいいなあと思うような人でした(^^)

本当は秋ではなくて11月から12月にかけて観るといいかもと思うような
雪がとっても似合う作品でした。
純粋な心に戻ってみたい時にはぴったりな1本です!


(060831)