ケネディ大統領が暗殺され、アポロ宇宙船が月へ降り立ち、ベトナム戦争に勝ち、
そして、ニクソン大統領が3期目を就任しているアメリカ。
そんな歴史を変えた大きな出来事の裏では、実は“ウォッチメン”たちが暗躍していた。
だが、仮面とコスチュームに身を包んだヒーロー=“ウォッチメン”たちも
今は法の規制により普通の人として生きていた。
そんなある日、元ヒーローで通称“コメディアン”のエドワード(ジェフリー・ディーン・モーガン)の
殺人事件が発生する。
彼は歳を取ったとは言え圧倒的なパワーを持っていて、そう簡単に殺されるはずはない。
コメディアンの死に疑問を持った元ヒーロー“ロールシャッハ”は密かにその謎を追い始めた。
しかし、そんなロールシャッハも巧妙な罠に落ちてしまった…
正直、この世界観にはついて行き難かったのですけど… 面白かったです(^_^.)
この作品は実際の歴史と虚構の歴史が織り交ぜられた世界の中で描かれています。
それがなかなか複雑に感じられました。
なにせ歴史に疎いので、アメリカの歴史もさっぱり。
ニクソン大統領のことは前日の『フロスト×ニクソン』でちょっとかじったばかりです(^^ゞ
ただ、この世界のポイントは、ソ連とアメリカが大国として勢力を誇っていて核を大量に抱え、
核戦争の勃発が真近に迫っていることです。
そんな中で、元ヒーローの殺人事件が起きます。
何のために殺されたのか。犯人は誰か。調査を始めても謎は深まっていくばかりです。
一方、元ヒーローの中でも社会的に高い地位を得た者もいます。
銃弾を見極められる動体視力と反射神経を持つ世界一の天才エイドリアン(ジェフリー・ディーン・モーガン)。
彼は正体を公表し、キャラクター商品の販売で巨額の財を築き上げています。
また、化学実験の事故により身体が変化して無限の能力を得たDR.マンハッタン(ビリー・クラダップ)は
新しいエネルギーの開発のために、その能力を惜しみなく注いでいます。
このエネルギーは石油や原子力など現在のエネルギーに変わるものとして期待されています。
そして、エイドリアンは自分の築いた財産でこの研究を援助してきました。
物語は殺人事件とこのエネルギー研究が絡み合い、思ってもいない展開へと進んでいきます。
その中で、ヒーローを辞めた者として生きる彼らの苦悩や、
人間以上のものとなってしまったDR.マンハッタンの虚ろな心情が描かれていきます。
死から甦り、違う次元に達してしまったDR.マンハッタンの心を地球に繋ぎとめているのは
元ヒーローの恋人ローリー(マリン・アッカーマン)への想いだけです。
そんな彼の一瞬にして火星までテレポートしてしまうような圧倒的なパワーには
その達観した世界観の視点と共に、びっくりさせられました。
それにしても…
なんだか凄いストーリーでした。展開にびっくりでしたし、映像もかなり強烈なところがありました。
それが2時間43分に凝縮されていて、見終わった時はちょっとため息でした(^_^.)
原作のファンと言うだけあって、監督さんは本当に頑張ったなあとしみじみ思った1本です。
監督:ザック・スナイダー 出演:ビリー・クラダップ マリン・アッカーマン パトリック・ウィルソン ジェフリー・ディーン・モーガン マシュー・グード ジャッキー・アール・ヘイリー
2009年 アメリカ 原題:WATCHMEN
(20090319)
追伸
この映画は試写会で観ました。公開は3月28日以降の予定です。