イベントコンパニオンの長島千恵(榮倉奈々)はイベントに遅刻しそうになって走ってきたところ
コンパニオンを待っていた赤須太郎(瑛太)に声をかけられ会場に入った。
だが説明を始めた千恵の話を聞いた太郎たちは、千恵が別の会場のコンパニオンだと気付く。
慌てていた千恵と太郎は互いに勘違いをしてしまったのだ。
そんな千恵を別のコンパニオン仲間が探しに来て、なんとか千恵はイベントへの遅刻を免れたが、
太郎はイベント後に千恵が担当者に叱られているのを見かけた。
その後、バスの中で再会した二人は、やがて付き合い始める。
だがその頃、千恵の身体はガンに冒され始めていた…
24歳の若さでガンを患い命を失った長島千恵さんと彼女をさせる赤須太郎さんや家族の物語です。
正直、ストーリーは分かっているし死に向かっていく物語はやっぱり辛いので
観に行くかどうしようかなと考えていました。
でも、主演を演じた榮倉奈々さんがインタビューで、辛い話と敬遠しないで病気のことなど
大切なことを感じて欲しいと言うのを聞いてチャレンジしてみようと思いました(^^ゞ
千恵さんがドキュメンタリーとして自分を題材にしようと決めたのは
若くても乳ガンになるということを多くの人に知って欲しいと願ったからということを知りました。
彼女自身が病気になってみて、若年性乳ガンの情報の少なさを感じたからです。
今、通常に行なわれている健康診断で乳ガン検診が行なわれるのは40歳以上です。
その頃になると女性たちにも乳ガンの怖さを知って気にし始めます。
でも、20歳そこそこの女性たちはよもや自分に乳ガンの危険性が潜んでいるとは感じていません。
恐らく若くして乳ガンになった女性たちは
もう少し知識があって早く気付けば…と考えてきたに違いありません。
作品を観ていて、そんな千恵さんの強い思いは
ちゃんとこの作品にも受け継がれていると感じました。
そして、そんな主人公たちの想いを伝えてくれた榮倉奈々さんと瑛太さんの演技は
本当に素直に見入ってしまうほどの迫力があって、見応えがありました。
死を前にしても自分の心を伝えてくれた主人公の強さを感じながら、
そんな想いがちゃんと伝わる作品に出来上がって良かったなあと思った1本です。
監督:廣木隆一 出演:榮倉奈々 瑛太 柄本明
2009年 日本
(20090524)