15歳のマイケル(デヴィッド・クロス)は学校帰りに具合が悪くなり、道端で動けなくなってしまった。
たまたまそこを通りかかったハンナ(ケイト・ウィンスレット)は彼を心配し、家まで送り届ける。
マイケルの病気はしょう紅熱と診断され、高熱を出して寝込んでしまった。
数ヵ月後、ようやく回復したマイケルは自分を送ってくれた親切な女性のお礼を言おうと考えた。
そして記憶を頼りにハンナのいると思われるアパートへ向かうと、果たして彼女はそこに住んでいた。
花束を渡して帰ろうとするマイケルに、ハンナは仕事に出るから一緒にそこまでと言って
着替えるまで彼に外にいるように指示する。
素直に外にでたマイケルだが、ドアの隙間からハンナの着替えを見てしまい、慌てて逃げ出してしまった…
少年の頃に抱いた純粋な恋心が、戦争という過去の罪に囚われて
なんと複雑な愛になってしまったのだろう…と胸が痛くなりました(T_T)
15歳のマイケルが出会った美しく愛しい人ハンナ。
毎日のように逢瀬を重ね、彼はハンナへの想いで心をいっぱいにしながらひと夏を過ごしました。
ハンナはマイケルの読む朗読が好きで、いつも新しい本を楽しみにしていました。
でも、彼女は突然にマイケルの前から姿を消してしまいます。
そして次に彼女と出会ったのは、法科の学生となったマイケルがゼミで傍聴に行った法廷でした。
ハンナは戦時中にナチスの収容所の看守をしていたのです。
彼女はとても真面目な性格でした。
看守の業務も、ただ仕事として真面目に勤めていただけなのですけど、
彼女はその真面目さがどれくらいの犠牲者を出したかを全く理解していませんでした。
ハンナの過去を初めて知ったマイケルは、その罪の大きさに重大な決断をしてしまいます。
それはハンナの生涯を左右するものとなり、マイケルの心にも大きな影を落としてしまいました。
人生を変える恋。
その恋に囚われたままだった青年はハンナを遠くに感じながらも愛と罪の意識を持ち続けます。
文字通り、彼は人生を変えられてしまったのです。
大きな秘密を抱えたことで他人に心を開けない人間となってしまったマイケルの人生は
決して幸せに満ちたものではありませんでした。
それでも彼はハンナへの想いを少しずつ彼女へ届けていきます。
ただし、その想いは少年の頃に抱いた純粋な愛とは大きく離れたものになっていました(T_T)
二人の恋の結末を切なく思いながらも、戦争という罪はどこまで人を苦しめていくのだろうと
何とも言えない気持ちになった1本です。
監督:スティーヴン・ダルドリー 出演:ケイト・ウィンスレット レイフ・ファインズ デヴィッド・クロス
2008年 アメリカ/ドイツ 原題:THE READER
(20090602)
追伸
この映画は試写会で観ました。公開は6月19日以降の予定です。