2003年。死刑囚マーカス・ライト(サム・ワーシントン)は刑の執行日を迎えていた。
事件で兄と二人の警官を死なせてしまった彼には、刑を受ける心の準備が出来ていた。
そんな彼に検体の署名を依頼する博士がいた。
ガンに侵されていたセレナ・コーガン博士(ヘレナ・ボナム=カーター)は自分の研究を進めるために
彼の身体を実験材料にしたいと考えていたのだ。
初めはその申し出を断っていたマーカスだったが
それも第二の人生のチャンスだと言われ受け入れる気になる。
そして、マーカスが次に目覚めたのは2018年だった…
数奇な運命を背負わされた男の生き様と絶望の中にも広がるかすかな希望が切なかったです。
これまでのシリーズとは違うテイストの作品です。
何と言ってもそれほど今回のターミネーターは怖くありません(笑)
私が持つターミネーターの印象は、何と言ってもとことん追いかけてくる怖さです。
あの追いかけられる人に絶望感を感じさせてしまうほどの
ターミネーターの圧倒的なパワーと執拗さが今回はあまり出ていません。
その代わり、今回は世界全体が絶望感で覆われています。
そして、人間とは何か、希望とは何かを観る者に問いかけていました。
今回の物語の中心はジョン・コナー(クリスチャン・ベイル)ではなくマーカス・ライトです。
彼は死刑囚として2003年に死亡した後、2018年に再び目覚めます。
目覚めた時、自分の身体に何があったのかは記憶から消えています。
彼は自分の心の中にある良心に従って行動し、スカイネットと戦っていきます。
そして、スカイネットが重要人物と狙うカイル・リース(アントン・イェルチン)と出会い
心を通わせていきます。
でも、彼は普通の人間とは違っていました。
そのことが彼を苦しめ、彼の行動が世界の運命握ることになっていきます。
そんなマーカスの運命に立ち向かいながらも揺るぎない姿が印象深かったです。
それにしてもマーカスを演じたサム・ワーシントンが良かったです~
強さと心の優しさを兼ね備えたマーカスにはぴったりな役者さんですね。
彼は今後も大作が続いているらしいので活躍を期待したいです。
また、クリスチャン・ベイルは相変わらず苦悩に満ちた人間を演じるのが上手かったです。
あと、マーカスの運命を変えた博士役のヘレナ・ボナム=カーターも相変わらず不気味でした(^^ゞ
シリーズの名場面を思い起こさせるようなシーンがいっぱいで、観ていてワクワクしました。
近未来アクションとして生まれ変わった新シリーズもなかなかだぞと感じた1本です。
監督:マックG 出演:クリスチャン・ベイル サム・ワーシントン アントン・イェルチン ムーン・ブラッドグッド ヘレナ・ボナム=カーター
2009年 アメリカ 原題:TERMINATOR SALVATION
(20090604)
追伸
この映画は試写会で観ました。公開は6月13日以降の予定です。(先行上映予定あり)