ジェイン・オースティンの「説得」（ＴＶムービー）

ジェイン・オースティンの原作をBBC放送が2007年に映像化した作品です。
同じように製作されたコリン・ファース出演の『高慢と偏見』は私のお気に入りです。
先日CSのチャンネルでこの『説得』が放送されているのを知って、チャレンジしてみました～

今日はケリンチ邸に住むエリオット家の引越しの日。
次女アン（サリー・ホーキンス）は召使たちを仕切って家の片付けに追われていた。
引越しの理由はエリオット家の財政難だった。売るよりはましという理由で家を貸し出すことになったのだ。
一家が倹約をして数年過ごせば財政は元に戻るはずだった。
だが、プライドが高く家の格を重んじる父と姉の頭に倹約という言葉は無い。
しかも、アンの愛するケリンチ邸を借り受けるのは海軍のクロフト提督と聞いてアンの心は重くなった。
アン以外の家族は気付かなかったが、実はクロフト提督の妻の弟は
8年前、アンが家族の反対により婚約を破棄してしまった
元婚約者のウェントワース大佐（ルパート・ペンリー＝ジョーンズ）だった…

一度は見失ってしまった8年前の愛は、運命のように再びゆっくりと動いていきました。

家柄ばかりを気にする父、姉、妹に囲まれて暮らしている次女アンが主人公のラブストーリーです。
父と姉は華やかな生活から遠ざかることは無く、唯一結婚している妹は病弱を言い訳に我がままばかり。
母を亡くした後の生活を心配するのは良識のある次女アンだけです。
アンは家事を仕切り、怪我人が出たら適切に処置し、身分など関係なく人物を見て仲良くなれる女性です。

アンは19歳の時に愛する人と婚約をしましたが、家族の反対により別れてしまいました。
金も無く身分の低い軍人ウェントワースが相手では許されなかったのです。
8年後、独身のまま27歳になった案の前に、大佐へ昇格して裕福になったウェントワースが現れます。
彼はアンを“説得に応じる主体性の無い人”と評し、彼女に冷たく接します。
そして過去の自分を悔いるアンは、彼に自分の秘めた想いを打ち明けることが出来ません。
でも真実を知った時、アンはこれまでの過去を振り切るように走り始めました。

アンを演じたサリー・ホーキンスが良かったです。
彼女は昨年『ハッピー・ゴー・ラッキー』でゴールデングローブ賞に輝いた女優です。
東京国際映画祭で観たこの作品では、笑顔がチャーミングで前向きな主人公を素敵に演じていました。
今回の『説得』はどちらかと言うと俯いて暗い表情のシーンが多いのですけど
前を向いて走り始めた時のエネルギーは彼女らしく輝いていました(^^)

ジェイン・オースティンのストーリーはやっぱり楽しいなと思った1本です。



監督：　出演：サリー・ホーキンス　ルパート・ペンリー＝ジョーンズ
2007年　イギリス　
（20090605）