ハウスキーパーをしているローズ(エイミー・アダムス)は30代のシングルマザー。
小学生の息子オスカーを養うために必死に働いていたが、仕事には漠然とした不満を抱えていた。
ある日、オスカーが学校で問題を起こし、校長に呼び出された。
仕事着のまま向かうと、これで3度目となる呼び出しに校長と担任は困りきった顔をしている。
ローズが事情を聞くと、先生たちは今日のオスカーは壁でもなんでもなめるというのだ。
オスカーを病院へ行って治療をした方がいいと勧める校長に、ローズは怒りを覚える。
こんな学校は辞めさせる!と堅く心に誓うローズだったが、私立学校へ行くのなら大金が必要になる。
とてもハウスキーパーの給料では足りなかった…
失敗ばかりで辛い人生を送っている姉妹&父の物語です。
1つの家族と彼らに関わる人々を見つめながら、それでも前向きに生きていこうとする姿を
温かい視線で描いていました。
それにしても主人公たちはダメダメなところがいっぱいです。
姉のローズはシングルマザーで高校時代からの恋人と不倫中。
30歳を過ぎても、夜間学校に行くと嘘をついて、
妹ノラ(エミリー・ブラント)に息子の世話を頼みながら定期的に逢引をしている。
でも、彼の奥さんは二人目を妊娠中で、彼女は行く先の見えない恋に不安を抱いています。
また、妹のノラは何をしても失敗ばかり。今でも自立できずに父の家で暮らしています。
集中力が無くて、いつもどこかへ心が飛んで行っているような彼女は
バイト先のダイナーでトレーをひっくり返す失敗をし、とうとう首になってしまいます。
そんな失敗をする自分に嫌気がさすのですけど
父と姉が心配するものだから、尚更居心地が悪いです。
息子も落ち着きが無くて問題ばかり起こすし
ローズにとっては唯一頼りになる父(アラン・アーキン)も
商売っ気を出して大損をしてしまいます。
何とも気の毒な家族たちなのです。
それでも彼らは今の状況を変えたいと前向きに考えていきます。
そこで思いついたのは事件現場のクリーニングです。
最初は何も知らずにごみを捨てて大迷惑をかけますが、段々と軌道に乗ってきて
二人ともこの仕事が遣り甲斐のあることだと感じ始めます。
講習を受けながら専門知識をきちんと学び、どんどんプロらしい顔つきへと変わっていきます。
でも、とても順調そうに見えたこの仕事も簡単にはいきませんでした。
それにしても、アラン・アーキンはいいですね~
エイミー・アダムスとエミリー・ブラントの姉妹の演技も良かったですけど、
あのちょっと変わり者だけど愛がいっぱいのおじいさんが似合うのはやっぱりアラン・アーキンです。
孫息子を無条件で褒め称えながら、決してひがまないように導きます。
私にもこんなおじいさんがいたらなあと思ってしまいました(^^ゞ
観終わった時、3人の新たな一歩に頑張る気持ちを貰ったような気がした1本です。
監督:クリスティン・ジェフズ 出演:エイミー・アダムス エミリー・ブラント アラン・アーキン ジェイソン・スペヴァック クリフトン・コリンズ・Jr
2008年 アメリカ 原題:SUNSHINE CLEANING
(20090629)
追伸
この映画は試写会で観ました。公開は7月11日以降の予定です。