幼い頃から犯罪を繰り返しながら生きてきた孤児のジョー(山下智久)。
ある日、川原で出会った子供たちとドヤ街の食堂で食事をしていると、酔っ払いが絡んできた。
それを無視しながらジョーが一心に食事をしていると、今度はその酔っ払いにヤクザが絡んできた。
酔っ払いはヤクザの組に借金があるらしく、取立てにやってきたのだ。
店の中で殴り合いを始めた彼らは、店が壊れるのにも構わず暴れ始める。
その様子も無視して食事を続けていたジョーだったが、
ヤクザが紙飛行機を踏みつけたのを知ると、そのヤクザを殴り飛ばした。
紙飛行機を拾い上げて子供たちに渡すが、ヤクザにとっては紙飛行機など関係ない。
ジョーを敵と見たヤクザたちは、彼にも殴りかかり始めた。
大乱闘の中とうとう警察が到着し、ジョーは警察に逮捕されてしまった…
何のために戦うのだろうとずっと考えながら観ていました。
天性の才能を持つ少年・ジョーがプロボクサーとして成長していく姿を描いた物語です。
孤児で喧嘩しか能の無かった彼は、偶然に居合わせた元トレーナーの丹下段平(香川照之)に才能を見出されます。
彼は暴力事件により少年院へ入りますけど、その間にも丹下から届く葉書の指導により練習を積んでいきます。
彼にとっては強くなること、そして自分へと向かってくる男を倒すことしか生きる道がないのです。
そんな中、彼は宿命のライバルとなる力石徹(伊勢谷友介)と出会います。
そして、いつかリングで彼を倒すことが人生の目的になっていきました。
その後は練習と戦いの連続です。
過酷な練習とボコボコに殴られる試合シーンは、凄いなあと思うと同時に
なぜ、彼らはここまで戦うことに情熱を燃やすのだろうかと考えさせられました。
それはプライドとか意地とかではなくて、本能に近いものなのかなと思いつつも、
きっと登山家の山への情熱のように、私には理解できないものかなあと思いながら観ていました。
それにしても、ボクサーとしての身体作りは本当に頑張りましたね~
あの身体つきと試合のシーンだけでも拍手を贈りたくなりました。
主演の二人がどれだけこの映画に情熱をかけているかが感じられました。
そして、試合のリアルさを捕らえたカメラワークも見応えがあって良かったです。
正直、ボクシングも格闘技も全く観ない私でしたけど、最後まで引き込まれました。
宇多田ひかるの主題歌を聞きながら、ボクシングの世界の厳しさをしみじみ思った1本です。
監督:曽利文彦 出演:山下智久 伊勢谷友介 香川照之 香里奈 勝矢
2010年 日本
(20110213)
→公式サイトはこちらへ http://www.ashitano-joe.com/index.html