サミットが開催されようとしているパリでは、各国の要人が集まり始めていた。
その日、下町の小さな通りに面した店では、お付きの人に囲まれた一人の日本人が仏頂面で座っていた。
彼はどうしても会わなくてはならない人物を捕まえるために待ち構えていたのだ。
だが、いくら待っても相手は来ず、イライラが頂点に達した時、その人物がやって来た。
ようやくやって来た人物に相好を崩して話しかける日本人はサミットにやって来た大臣、
店にやってきた人物はアメリカの長官だった。
実は長官は匿名の情報から、彼が若い頃に好きだった店の移転先を知ってやって来たのだ。
そして、その店の片隅には黒田(織田裕二)がさり気無く座っていた…
今回の事件も奥が深かったです~
映画『アマルフィ 女神の報酬』、ドラマ『外交官・黒田康作』に引き続き、今作も黒田が大活躍しています。
続編ですけど、それまでを見ていなくても、人間関係くらいを予習しておけば大丈夫です。
黒田は織田裕二さんの当たり役ですね~
“踊る”シリーズのお茶目なキャラクターも楽しいですけど、黒田のようなカッコいい役もぴったりです。
ちょっと厚手のコートとスーツでさり気無く難しい任務をこなしていく姿が楽しかったです。
『アマルフィ』では内戦と国家支援の問題、ドラマでは製薬会社の人体実験の問題が
事件の裏にありましたけど、今作ではマネーロンダリングの問題が根底にあります。
サミットで日本が掲げたマネーロンダリングの規制や、
フランスとスペインとの国境の町で起きた警視総監の息子の殺人事件など、
黒田は次第にその問題の奥へと巻き込まれていきます。
そして、その鍵を握るのは殺人事件の第一発見者で銀行員の新藤結花(黒木メイサ)でした。
それにしても、今作はキャラクターも事件も見応えがあって面白かったです。
正直『アマルフィ』では、それはないでしょうと力が抜けてしまうような場面もあったのですけど、
今作ではそれぞれのシーンで、きっと裏にこれがあるからとか、いろいろ考えながら楽しめました。
また、黒田の相棒役になるインターポールの神足の過去と今の問題に悩みながらも
前へ進もうとする姿が良かったです。
仕方なく共同戦線を張っているようでいて実はそう来たかと、途中でニッコリしながら観ていました。
そして、何と言っても鍵となる新藤結花のキャラクターが良かったです~
彼女の謎めいた存在感が黒木メイサさんにぴったりで、
彼女の演技がストーリーと共に惹きつけているように感じました。
前作同様、今作でもアンダルシアの美しい風景が全面に映し出されていて楽しかったです。
観終わった時、またどこかでこの黒田の新しい物語を観たいなと思った1本です。
監督:西谷弘 出演:織田裕二 黒木メイサ 伊藤英明 福山雅治 谷原章介 鹿賀丈史 夏八木勲
2011年 日本
(20110629)
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