輝彦(山田孝之)は病院の診察室で目を覚ました。
自分では何が起きたか分からないが、医師(水森亜土)が言うにはスケート場で転び頭を打ったらしい。
自分がかばんを持っていないことに気付いた輝彦は、もっと検査をという医師たちを振り払って
慌ててスケート場へとタクシーを飛ばした。
だが、スケート場は休業中で、閑散としているだけだった…
この物語は一体どこへ向かうのだろうとドキドキしながら観ていました。
頭を打って一時的に記憶を失くしてしまった29歳のサラリーマン・輝彦の恋の物語です。
混乱したままスケート場で佇んだ輝彦は、自分の背広のポケットに婚約指輪が入っているのを見つけます。
でも、彼にはその相手がどうしても思い出せません。
早く渡す相手を知りたいと気持ちは焦るばかり。
スケートの出来ない輝彦を尻目に、スケートリンクを自在に滑る少女エミ(二階堂ふみ)は
そんな彼の様子を見て楽しそうに「忘れちゃったみたい」からかいます。
そして悩みながらも日常に戻った彼の前に、3人の女性が次々と現れはじめました。
それにしても3人の女性のキャラクターがぴったりでした~
社員の誰もが憧れるマドンナ的存在の美人研究員・智恵に小西真奈美さん。
明るさとお色気で迫ってくる風俗嬢・めぐみに真木よう子さん。
公園で地味に人形劇をしている愛情たっぷりのドジっ子・和歌子に池脇千鶴さん。
みんなとても可愛くキラキラしていて、輝彦を十分に悩ませてくれます(^^ゞ
また、ちょっと謎めいた少女エミを演じた二階堂ふみさんもキュートでした。
この映画のために特訓したというスケートが上手くて、演技共々びっくりです。
そして、監督いわく原作よりもちょっと情けない男にした輝彦をコミカルに演じた山田孝之さんは
最高に楽しい演技を見せてくれました。
途中で出てくるコミカルなパートも女性の監督らしく繊細で可愛らしい雰囲気のシーンが多くて
観ていて楽しかったです。
観終わった時、最初のうちは輝彦が女性たちを振り回しているように思ったのですけど、
結局は女性たちの愛情の深さとか潔さとか強さを見せられた気がしました。
このシチュエーションの物語をそんなふうに見せてくれるのも面白いなと感じた1本です。
監督:岩田ユキ 出演:山田孝之 小西真奈美 真木よう子 池脇千鶴 二階堂ふみ
2011年 日本
(20111119)
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