武富健治著の同名コミックを基にした、低視聴率ながらも高い評価を受けた学園ドラマの映画版です。
ドラマは未見でしたけど、そこまで高評価ならきっと映画も面白いだろうと楽しみにしていました。
ちょっと妄想癖のある鈴木先生と生徒たちの真剣な掛け合いに最後まで引き込まれるような作品でした。
こんなに自分に素直で真剣に向き合ってくれる先生がいたら、
きっと中学校生活は面白かったろうなあとちょっと思ってしまいました(^^ゞ
最近、緋桜山中学2-Aの担任・鈴木先生(長谷川博己)は、小川(土屋太鳳)の妄想に再び悩んでいました。
彼の夢を感応する妻にはバレていませんけど、それも時間の問題です。
これは人間関係にストレスを感じている証拠かと思いつつ、悪い予感が止まりませんでした。
そんな中、彼を敵視している足子先生(富田靖子)が療養から復帰して来ました。
嵐の予感が的中したと、彼も同僚の教師たちも戦々恐々としていると、
早速、笑顔で提案したいことがあると言い始めます。
それは、生徒会選挙の無効票を辞めさせようとする、真っ当そうな提案でしたが、
そんな彼女の提案が選挙の様相を大きく動かして行きました。
それにしても、本当に面白いですね~
妄想も面白いですけど、そんな弱さをスクリーンに映し出しながらも生徒に慕われることが納得できるような、
そして、応援したくなるような鈴木先生のキャラクターが面白かったです。
そんな鈴木先生が心配している生徒たちの心の動きも一筋縄では行かなくて、
真っ直ぐそうで、それだけではないところがまた面白いなあと思いました。
また、学校や学校周辺で起きる出来事も、実際の社会で起きそうなことが多くて考えさせられました。
特に傷つきやすいために引きこもりになってしまった卒業生たちの置かれた状況は哀しかったです。
追い詰められて心の歪んでしまった青年の主張は、あまりにも自己中でおかしいのですけど、
そこへと行ってしまった心境を鈴木先生も一緒に感じているところに、ちょっと救いを感じました。
正しいことが全て実際の正しさへと繫がるかということに疑問を持つことは大切なのかと
改めて考えさせられました。
観終った時、鈴木先生たちのこれまでの経過が分かるテレビドラマを見てみたいなあと思った1本です。
監督:河合勇人 出演:長谷川博己 臼田あさ美 土屋太鳳 風間俊介 田畑智子 斉木しげる でんでん 富田靖子 夕輝壽太 山中聡
(20130113)
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公式サイトはこちらへ http://www.tv-tokyo.co.jp/suzukisensei/