“愛と欲望の王宮”と言っても、愛憎ドロドロというよりは人を陥れる陰謀の物語でした。
死期を前にした王妃が未来の子供たちへ手紙を書くところから始まる物語です。
1766年。15歳のカロリーネ・マティルデ(アリシア・ヴィキャンデル)はウェールズから
デンマーク王のクリスチャン7世(ミケル・ボー・フォルスゴー)へ嫁ぐことが決まりました。
音楽や芸術に才のあったカロリーネは、演劇に深い知識を持つと言われる未来の夫との
理想の生活に明るい夢を見ていました。
でも、すぐにその夢は破れます。
クリスチャン7世は幼いころの歪んだ教育により精神を病んでいた王だったのです。
気まぐれで不器用で起伏の激しい性格にぶつかって傷ついたカロリーネは王を疎むようになっていきます。
子供を授かって皇太子が誕生すると、義務を果たしたとばかりにその距離はどんどん広がっていきました。
それにしても、王家と言うものはどこも人間関係が歪んで大変なのですね。
言葉も習慣も違う国の見知らぬ人に15歳で嫁がされるなんて、
例えそのように育てられていたとしても大変過ぎます。
しかも、相手が上手く人間関係を作れない人だけになおさらです。
そんな時に学も才能もあって自分に優しくしてくれる人と出会ったら、
恋に落ちてしまうのも当然だなと思ってしまいました(-_-)
ただ、物語は恋愛よりも政治的な話になっていきます。
貴族が農民を支配していた時代に、少しずつでも良い環境と自由な国作りをしたいと考えた医師がいたのです。
王様付きとなったその医師ヨハン・フリードリヒ・ストルーエンセ(マッツ・ミケルセン)は
その地位を利用して王を動かし、市民のための改革を進めていきます。
ヨハンと王妃の恋は確かにスキャンダルですけど、それ以上に国を良くしたいと思う強い意志が印象的でした。
そして、その行動が悲劇を起こしてしまいました(T_T)
歴史を知らない私にはとても勉強になった作品でした。
こういうあまり観る機会の少ないデンマークの映画も面白いなあと改めて思った1本です。
監督:ニコライ・アーセル 出演:マッツ・ミケルセン アリシア・ヴィキャンデル ミケル・ボー・フォルスゴー
20012年 デンマーク 原題:EN KONGELIG AFFAERE/A ROYAL AFFAIR
(20130507)
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公式サイトはこちらへ http://www.royal-affair.net/