トルコの山岳地帯を舞台に、17歳のクルド人少女の過酷な運命を描いたドラマです。
少女がじっと前を見つめている写真を見て、気になるなあとチャレンジしてみました。
自由な人生を求めた少女の旅の終わりにとてつもなくショックを受けてしまいました(T_T)
美しい自然の中なのに、爆撃音と銃声が鳴り響いていました(T_T)
山間の美しい風景から始まる物語です。
雲海や緑豊かな森の風景を映していると、一人の少女の瞳が草陰から除きます。
厳しい表情であたりを伺っていたその少女ジン(デニズ・ハスギュレル)は、ひとり山奥へと走り始めました。
実はジンは山岳地帯で戦うゲリラの一員だったのです。
でも、そんな生活に嫌気が指してしまいます。17歳の少女が自由になりたいと望んだのです。
そのためにはゲリラ集団から逃げ出さなくてはなりません。
普通の服を盗んで戦闘と銃を洞穴に隠すと、彼女は町へと向かい始めました。
それにしても、哀しい物語でした。
ひとりの少女が、ただ普通の生活を望んだだけなのです。
でも、戦闘服を着ていればゲリラだと命を狙われて銃撃され、
普通の服を着ると美しいからと男たちに狙われて傷付けられます。
しかも、通行証が無いとバスでの移動も出来ない状況です。
彼女にはどこへも逃げ道がありませんでした(T_T)
こういう作品に出会うと、なぜ人は戦争するのだろうと考えさせられてしまいます。
戦争の後には心身の傷しか残らないのに。
しかも、爆撃の後には破壊された自然しか残らないのに。
ほとんど台詞が無く静謐な自然を映し出す中で、人間の愚かさを改めて思い知らされた気がしました。
この作品をスクリーンで観ることが出来て良かったです。
観終った時、森の美しさとジンの訴えるような瞳が心の中に残った1本です。
監督:レハ・エルデム 出演:デニズ・ハスギュレル
2013年 トルコ/ドイツ 原題:Jin
(20131024)
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東京国際映画祭のサイトはこちらへ http://tiff.yahoo.co.jp/2013/jp/lineup/works.php?id=W0003追伸
この映画は東京国際映画祭で観ました。公開予定は未定です。