イギリスらしい家族の絆の物語でした。
ポール・ポッツは幼い頃からいじめられっ子で、いつもいじめっ子たちに追いかけられていました。
でも、彼は歌うのが大好きで、大声で歌っていると気分は最高です。
いつも歌ってはいじめられるという、最高と最低の気分を味わいながら成長していきました。
大人になっても、歌好きは変わりません。オペラが大好きで、食事の間も聞いてしまうほどです。
でも、若い頃にラガーマンだったことが自慢の父には、そんな息子が理解できません。
携帯ショップの店員なんて軟弱な仕事ではなく、自分と同じ現場で働けば良いのにと思っているくらいです。
そんな父はポールの歌の力を真っ向から否定し続けました。
ある日、女性に縁の無いポールを見かねた上司ブランドン(マッケンジー・クルック)が
ポールのメル友に彼の名前で待ち合わせの約束をしてしまいます。
お互い顔も知らない二人でしたけど、約束どおり駅で待っていた女性ジュルズ(アレクサンドラ・ローチ)は
彼のことを受け入れてくれる心優しい女性でした。
そして、彼女に励まされて、ポールは長年の夢であったイタリアへの音楽留学を本気で考え始めました。
それにしても、ジュルズはいい奥さんですね~
自信を無くしたり、病気をしたり、大怪我をしたポールをずっと支え続けます。
しかも、怪我をしてからは1年半も引き篭もり状態のポールを一人で働いて家計を担っているのです。
家賃や税金も払えないほど困窮するまで頑張るなんて、まるで女神だなあと思ってしまいました。
そして、そこまで愛されているのだから、男なら頑張れ~!と思いながら観ていました(^^ゞ
でも、ポール・ポッツも頑張りましたよね。
あれだけ幼い頃から虐められ続け、父には虐められても彼自身が悪いように言われて取り合ってもらえず、
せっかく彼女が出来て自信を取り戻し始めても、尊敬する人の前で実力を出せずにキツイ言葉を言われて
歌を諦めてしまうほど落ち込みます。
そこまで心が傷付きやすくて自分に自身が持てない人だったら、
本当は人前で歌うのもかなり大変なはずですよね。
それだけに、彼の歌がステージから本当に人々へと届いた時にはほっとしました。
そして、その歌声には泣かされてしまいました(^^ゞ
観終った時、彼の歌が世界中に届いてよかったなあと思うのと同時に、
いつまでも奥さんを大切にしてねと願った1本です。
監督:デヴィッド・フランケル 出演:ジェームズ・コーデン アレクサンドラ・ローチ マッケンジー・クルック ヴァレリア・ビレロ コルム・ミーニイ ジュリー・ウォルターズ
2013年 イギリス/アメリカ 原題:ONE CHANCE
(20140322)
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公式サイトはこちらへ http://onechance.gaga.ne.jp/