出だしからラストまでぞくっとした怖さを感じました~
一人の少女が流氷の海から笑顔で這い上がってくるところから始まる物語です。
花(二階堂ふみ)は寒さに顔を青くさせながらも、笑顔になりながら海から氷へと上がりました。
でも、何故彼女がそんな危険なことをしているのかは分かりません。
時は遡って、花が9歳の時。突然の地震に襲われた奥尻島では、
津波の被害で海辺は瓦礫の山になっていました。
お父さんに背負われて必死に海から離れようとしていましたけど、津波のスピードには敵いません。
親兄弟はみんな亡くなり、家族の中では瓦礫の中から生還した花が唯一の生存者でした。
避難所で亡くなった親を見つけた花でしたけど、呆然としたまま泣くことも出来ません。
ほとんど口もきかず、ただ無表情のまま水のペットボトルを抱えて歩き回っています。
そんな行き場を無くした彼女と再会したのが腐野淳悟(浅野忠信)でした。
彼は遠い親戚で、花が生まれる前の高校生の頃に、一時期だけ花の両親と暮らしていたことがありました。
今は紋別で海上保安庁の職員として働きながら暮らしていました。
そして、まだ20代で独身だったのですけど、花を引き取ると主張し始めました。
町でも顔の広い世話好きの大塩(藤竜也)は、独身で女性関係も派手な淳悟が
幼い花を引き取ることに強く反対していました。
花のためには絶対に良くないと感じたのです。
でも、淳悟の強い主張により、しぶしぶそれを認めてしまいました(T_T)
それにしても、きつい人間関係でした。
極寒の地だからこそ、心を合わせるように寄り添わなくては生きていけなかった2人の関係は
人には知られてはならないものでした。
それだけに他人に知られてしまった時、二人の創り上げた平穏が根底から崩れていきます。
そして、逃げるように北海道から東京へと住む地を変えた時から、二人の関係は大きく変化していきました。
最初、この二人の関係はいったい何なのだろうと考えてしまったのですけど、
やっぱり、花が創り上げた関係だったのかなと感じました。
また、正直、花の心は計り知れなかったのですけど、
花に魅了された淳悟の行動は仕方なかったのかもとも思いました。
それだけに、花が大人になるにつれてどんどん底知れぬ人になっていった気がして怖かったです。
観終った時、“私の男”って凄いタイトルだなあと改めて感じた1本です。
監督:熊切和嘉 出演:浅野忠信 二階堂ふみ 山田望叶 河井青葉 モロ師岡 高良健吾 三浦貴大 藤竜也
2014年 日本
(20140624)
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