アメリカン・スナイパー

元ネイビー・シールズ隊員クリス・カイルの自伝をクリント・イーストウッド監督が映画化した戦争映画です。
予告編を観て、この主人公は一体どんな人だったのだろうと気になっていました。
やっぱり、戦争は戦っている兵士たち全てを傷付けていくものなのねと
ため息を付いてしまうような物語が描かれていました。

緊張がとてもリアルに伝わって来ました(T_T)

屋上でライフルを構えているクリス・カイルが標的を見つめて緊張しているところから始まる物語です。
幼い頃から厳格な父親にしつけられてきたクリス（ブラッドリー・クーパー）は、強い男は守る者だという信念のもとに成長して来ました。
兄を慕う弟と共にカウボーイとして活躍していた彼は、アラブのアメリカ大使館へのテロ事件で
多くの犠牲者が出たというニュースに釘付けになります。
彼は国を守るためにネイビー・シールズへ入隊しました。

厳しい訓練の日々の中、妻となるタヤ（シエナ・ミラー）と出会って家庭を持ったクリスは、
結婚後間も無く9.11で戦争状態になったイラクへと派遣されます。
訓練で射撃の腕を買われた彼は、味方を守る狙撃手の役目を担います。
屋上に配置されて任務に就いて間も無く、クリスは怪しい動きをする母子を見つけます。
幼い息子に母が渡したのは対戦車爆弾でした。
そして、アメリカ兵の隊列へと向かっていく息子にクリスは照準を合わせました。

それにしても、やっぱり戦争映画は重いですね(T_T)
最強のスナイパーとして伝説となった男の過ごした戦場は、常に死と隣り合わせです。
それも、自分の手で放たれた銃弾で相手に死をもたらすことが彼に科せられた任務でした。
彼は仲間を守るために、次々に武器を手にした敵に死を与えました。
それは、どんなに強い意志と信念を持っているクリスでも、精神的な限界を超える日々でした。

それでも、彼には愛する妻と子供たちがいました。
彼は何とか自分を取り戻します。
それだけに、彼の運命にはとてもショックを受けました。
そして、せめてこの映画が真摯な想いと共にクリント・イーストウッド監督に創られて良かったと感じました。

無音のエンドロールがとても重かったです。
観終った時、これが大ヒットしているアメリカって、観客はどんな想いを感じているのだろうなあと考えた１本です。



監督：クリント・イーストウッド　出演：ブラッドリー・クーパー　シエナ・ミラー　ルーク・グライムス　ジェイク・マクドーマン　ケビン・ラーチ　コリー・ハードリクト　ナビド・ネガーバン　キーア・オドネル
2014年　アメリカ　原題：AMERICAN SNIPER
（20150221）

→公式サイトはこちらへ　http://wwws.warnerbros.co.jp/americansniper/