平山瑞穂著の同名小説を映画化した切なくてファンタスティックな青春ドラマです。
予告編を観て、一体この高校生たちに何が起きたのだろうと気になっていました。
これってかなり残酷な事態だなあと思いながら、忘却に翻弄されていく恋人たちを見つめていました。
主人公が叫びながら走る姿は忘れられないなあと思ってしまいました。
ある日、部屋でくつろいでいた高校生の葉山タカシ(村上虹郎)はDVDの返却を思い出しました。
慌てて自転車を走らせた彼はレンタル店へ向かう途中の交差点で、歩いていた女性と接触してしまいます。
自転車ごと倒れたタカシも痛かったですけど、倒れた女性も痛そうでした。
その見知らぬ女性(早見あかり)はタカシと近い年頃の少女でした。
タカシは慌てて起き上がると、必死に女性に謝ります。
でも、謝るタカシにほとんど反応しないまま、その少女は大丈夫とだけ言って去ってしまいました。
翌日は1学期の終業の日でした。
高校3年生のタカシにとってこれから始まる夏休みは受験に向かって頑張らなくてはならない時です。
進路も決まっていない彼にとっては憂鬱な想いばかりです。
冴えない顔をしながら昇降口を出た彼は、昨日にぶつかってしまった少女を見かけます。
実は同じ高校生だったのです。
声をかけて自己紹介したタカシに、少女はやはり名乗らないまま去ってしまいました。
それにしても、めちゃくちゃ切なさの残る物語でした。
原因は不明ですけど、早見あかりの演じる織部あずさは異常な事態に陥っている少女でした。
毎日通っている学校の同級生なのに、タカシにとっては見知らぬ人です。
そして、物語が進むにつれて、タカシとあずさの間の過去が見え隠れしてきます。
その事実が解れば解って来るほど、宿命のようなあずさの状況が切なかったです(T_T)
記憶は無くなっても過ごした時間は残るというある人の言葉が心に残りました。
観終った時、いつかこの呪縛から解放されたあずさが偶然の出会いを掴む日が来るといいなあと
願わずにはいられなかった1本です。
監督:堀江慶 出演:村上虹郎 早見あかり 西川喜一 渡辺佑太朗 大沢ひかる 池端レイナ ミッキー・カーチス
2015年 日本
(20150328)
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