彼らの痛みがまっすぐに伝わって来て、心が揺さぶられました(T_T)
1990年に起きた柏木(望月歩)の死の真相を知るための裁判の準備から始まる物語です。
校内裁判の開始日を8月15日から5日間と決めた藤野たちは、裁判に不可欠な大出俊次(清水尋也)や
三宅樹理(石井杏奈)の出廷を依頼します。
どちらも日にちが迫る中、本人や家族の反対もあり、困難な交渉となりました。
また、藤野たちは事件解決の糸口として、亡くなった柏木の両親から通話記録を入手します。
そこには柏木が亡くなった当日に4件の不明な電話があったことが記されていました。
藤野たちはそれぞれの電話番号に実際に電話をしてみます。
すると、それはどこも公衆電話からかかってきたもので、特に最後の電話BOXでは
中学生くらいの少年の姿が目撃されていました。
それにしても、主人公たちの心の叫びは痛かったです。
彼らは強い意志を持って真相を知ろうと動いていきます。
調査し、実際には何が起きていたのだろうと推理して行きます。
この裁判は罰するために行われるわけではありません。
何が起きたのか、そして、どのような心理状態の中でこの裁判までたどり着いたのかが焦点です。
そもそも、大出が柏木を殺したという告発は怪文書が元で、それが嘘だったということは判っています。
どちらかと言えば怪文書については、作成した樹理と交通事故死した浅井松子(富田望生)の
心を明らかにすることが目的かも知れません。
藤野たちもそこは理解した上での裁判なのです。
そして、審理が進むうちに、柏木の死には、少年がどのような人物で
どのように現実に絶望していったのかが大きな要因になってることが解ってきます。
現実を痛烈に批判していく彼の心は、新たに現実を知るたびに傷付いていきます。
彼の批判に晒された人々も、彼の言葉や視線に心を傷付けられていきます。
そんな柏木の死の状況が明らかになる最終日の審理は、ドキドキしながらスクリーンを見つめていました。
明日へ向かう勇気を得るための裁判は、14歳の心に掛け替えの無い力を与えてくれました。
U2の迫力ある歌声を聴きながら観終った時、彼らの笑顔が本当に眩しく感じた1本です。
監督:成島出 出演:藤野涼子 板垣瑞生 石井杏奈 清水尋也 富田望生 前田航基 望月歩 西村成忠 佐々木蔵之介 夏川結衣 黒木華 田畑智子 松重豊 小日向文世 尾野真千子
2015年 日本
(20150425)
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