過去の呪縛から解き放たれていく展開に、人の持つ強さと優しさを感じさせてくれる物語でした。
新宿と箱根の間を走る特急ロマンスカーでアテンダントをしている鉢子(大島優子)の日常から始まる物語です。
朝、鉢子が仕事へ出かけようとしていても、同棲中の恋人・直樹(窪田正孝)はベッドの中。
幸せそうな顔をして眠っているだけです。
仕方なく、鉢子が玄関に向かった時、直樹が目を覚ましました。
直樹は朝起きて開口一番に鉢子へ掛けた言葉は、「1万円貸して」という情け無いものでした。
無言で自分を見つめる鉢子に拒否の意志を感じた彼は、5千円、千円とどんどん下げて行きます。
そして、鉢子が出かけて再び眠った彼の枕元には、2千円が置かれていました。
出掛けにポストを覗いたところ自分宛の手紙を見つけたので、バッグの中へ入れました。
出社した鉢子が早速、女子ロッカーへ向かうと、同僚の久保(野嵜好美)が既に化粧中でした。
彼女は失敗ばかりしているコネ入社の後輩で、今日のペアです。
鉢子が仕度を終えても彼女は化粧中で、鉢子はお先にと声を掛けてロッカーを出ました。
それにしても、大島優子さんはアテンダントの制服が似合いますね~
こんなアテンダントさんが車内販売をしていたら、ついホットコーヒーを頼みたくなりそうです(^^ゞ
でも、大島さん演じるしっかり者の鉢子の人生は幼い頃から苦労の連続でした。
鉢子が小学生の頃に両親は離婚し、その後、母は子育てそっちのけで恋多き女になります。
そのことでいじめにもあった彼女は、高校卒業後に家を出てから母に会っていません。
そんな母からの突然の手紙に鉢子は動揺します。
そして、母の手紙にあった想い出の箱根旅行を、万引き犯として捕まえた乗客・桜庭(大倉孝二)と共に
巡ることになってしまいます。
それは、鉢子にとても桜庭にとっても、過去を見つめ未来へ向かう元気を掴む旅になりました。
本当に二人旅をしているような大島さんと大倉さんの自然な掛け合いがとても楽しかったです。
観終った時、何だか観ている方も元気を貰ったなあと思ったのと同時に、
久々にロマンスカーに乗って箱根へ行きたくなった1本です。
監督:タナダユキ 出演:大島優子 大倉孝二 野嵜好美 窪田正孝 西牟田恵
2015年 日本
(20150829)
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