なんて哀しい事件だろうなあとしみじみ思ってしまいました。
匿名報道についての広報室と報道陣との対立から始まる物語です。
妊婦が起こした交通事故の発表が匿名で行われたため、記者たちは広報室への怒りをたぎらせていました。
広報室長の三上(佐藤浩市)は状況を打開しようと悩んでいましたが、警務部長・赤間(滝藤賢一)の指示で
情報が匿名にされた以上、被疑者の氏名の情報を流すことは出来ませんでした。
そんな最中、三上はさらに赤間部長から難しい仕事を言い渡されます。
14年前の昭和64年に発生した未解決事件の少女誘拐殺人事件“ロクヨン”の被害者宅を
警察庁長官が訪問できるように調整することです。
実は三上は以前に刑事部へ居た時、この事件に刑事として関わっていましたが、その後は
被害者家族の雨宮(永瀬正敏)とは会っていませんでした。
久々に再会した雨宮は酷くやつれていて、妻も病気で亡くなっていました。
三上が家へ入れてくれた雨宮に用件を話したところ、彼は静かに聞いてたのに断りを告げます。
長官が自宅を訪問するという凄いことを簡単に断る雨宮にびっくりした三上でしたけど、
また来ますと言って自宅を出ました。
そして、雨宮と警察の関係がどうしてこじれているのか、改めて考え始めました。
それにしても、本当に重厚な物語でした。
殺伐とした人間関係の中で何が起きているのだろうと考え込んでしまいました。
それぞれが行動している裏に複雑な想いを抱えています。
仕事上の確執。家庭の問題。そして、各々の中で渦巻いている心の葛藤。
最悪な人間関係の中で主人公の三上は仕事を進めようと調整していきます。
そして、自分を見つめ直した三上のひとりの人としての真摯な態度によって事態は打開して行きました。
映画の前編は14年前の悪夢のような事件の発生?というところで終わります。
後編はいったいどうなってしまうのだろうとドキドキしながら観終わった1本です。
監督:瀬々敬久 出演:佐藤浩市 綾野剛 榮倉奈々 金井勇太 夏川結衣 滝藤賢一 坂口健太郎 筒井道隆 鶴田真由 窪田正孝 奥田瑛二 仲村トオル 吉岡秀隆 瑛太 永瀬正敏 三浦友和
2016年 日本
(20160507)
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