横山秀夫著の警察小説を佐藤浩市主演で描いたサスペンスの後編です。
前作を観た時、後編はいったいどうなってしまうのだろうとドキドキしながら観終わったので
公開を楽しみにしていました。
何が正しいのかが分からなくなるような警察組織の複雑さと共に、
“子供が居なくなること”の悲しみの深さをしみじみと感じるような作品でした。
一つの事件が終わっても、心の痛みは消えないと思ってしまいました。
少女誘拐事件が発生したという前編のラストの続きから始まる物語です。
この事件の発生とマスコミへの広報に対する態度により、
一旦は収まった警察とマスコミとの対立が再び激化します。
情報を開示しない刑事部に対し、三上(佐藤浩市)は指揮車に乗り込むという手段に出て
何とか情報を広報スタッフへ届けようとしました。
一方、今回の事件の情報が開示されないのは何故か。
そもそも、どうして64を模倣したような今回の誘拐事件が起こったのか。
その裏にある、過去の事件への一途な想いが次第に見えてきた時、今回の事件の全貌が現れてきました。
それにしても、やっぱり切ないですね(T_T)
予告編でも流れていた、佐藤浩市さん演じる三上の“子供が居なくなるということが…”という台詞が
とても心に響きました。
その言葉が全てを物語っているような気がしました。
あと、やっぱり最初の事件の被害者の父・雨宮(永瀬正敏)には泣かされました。
あの電話ボックスは、哀しすぎます(T_T)
そして、全てが終わった後の姿にも、何とも言えない気持ちになりました。
久々に心から見応えのある作品に出会ったなあと感じました。
観終った時、この夏は原作をじっくりと読まなくちゃと思った1本です。
監督:瀬々敬久 出演:佐藤浩市 綾野剛 榮倉奈々 金井勇太 夏川結衣 滝藤賢一 坂口健太郎 筒井道隆 鶴田真由 窪田正孝 奥田瑛二 仲村トオル 緒形直人 吉岡秀隆 瑛太 永瀬正敏 三浦友和
2016年 日本
(20160620)
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公式サイトはこちらへ http://64-movie.jp/