ワンダー 君は太陽

R・J・パラシオのベストセラー小説を「ルーム」のジェイコブ・トレンブレイ主演で映画化したドラマです。
原作は未読ですけど、予告編を観てこれは観たいなあと楽しみにしていました。
予想通りなのにやっぱり泣かされてしまう展開に、心が洗われるような作品でした。

遺伝子の疾患により生まれてから何回も顔の手術を経験してきたオギー（ジェイコブ・トレンブレイ）は
その特異な外見から学校へ通わずに家の中で母（ジュリア・ロバーツ）の教育を受けて来ました。
でも、10歳になった息子に母は同年齢の子供たちが通う普通の学校へ行くように説得します。
母だけでなく父（オーウェン・ウィルソン）も姉（イザベラ・ヴィドヴィッチ）もオギーのことを
本当に大切にしている家族だったので、初めての学校は本当に心配です。
それでも、校門の前でヘルメットを外したオギーをみんなで祈るように見守りました。

オギーの顔を見た子供たちは遠くから観ているだけで声を掛けようとはしません。
たまに近寄ってくると、からかって笑うだけです。
そんな日々にオギーは悲しみでいっぱいになり、家でも笑顔を見せなくなります。
でも、やがてオギーのことをずっと気にしていた同級生のジャック（ノア・ジュプ）が
一緒にランチを食べようと声を掛けて来ました。

それにしても、素直にオギーを応援して祝福したい気持ちになれる作品ですね。
生まれつきのハンデが大きなオギーの哀しみも辛さも真っ直ぐに伝わってきますし、
息子を見守る家族の心の揺れには、そうだよねと共感しながら観てしまいます。
本当に特別ではない普通の家族なのです。

それに子供たちがみんないい子なのです～
もちろん意地悪な子もいますけど、ちゃんと反省できる素直さがあります。
子供を無理やり庇おうとする大人の歪みが嫌になるほど。子供の心の柔軟さを信じてあげて欲しくなります。
そして、子供たちがオギーを受け入れた時の温かさには、心からほっとしました。

シンプルだけどこんなふうに優しい物語には、出会うと嬉しくなりますね。
観終った時、オギーが素直に生きて行ける未来が来るといいなと願った1本です。



監督：スティーヴン・チョボスキー　出演：ジュリア・ロバーツ　ジェイコブ・トレンブレイ　オーウェン・ウィルソン　イザベラ・ヴィドヴィッチ　ダニエル・ローズ・ラッセル　ノア・ジュプ　ミリー・デイビス　ブライス・ガイザー　ナジ・ジーター　
2017年　アメリカ　原題：WONDER
（20180621）

→公式サイトはこちらへ　http://wonder-movie.jp/