ある男が新興宗教を起こそうと思いついたところから始まるコミカルな物語です。
『いつだってやめられる』のエドアルド・レオが教祖になると聞いて観たいと思ってしまいました~
ローマでB&Bを営んでいるマッシモ(エドアルド・レオ)は経営難に陥っていました。
そんなある日のこと。修道院の宿泊所では税金が優遇されていることを知った彼は、
自分も宗教化することを考えます。
そのためには役所に新興宗教の宿泊所であることを認めさせなくてはなりません。
早速、唯一の相談者である姉(マルゲリータ・ブイ)に会いに行き、
研究家のマルコ(ジュゼッペ・バッティストン)と計画を立てることになりました。
もともと人前で話すことが得意ではないマッシモでしたけど、マルコの補佐にも助けられ、
ライバル相手の修道院から人を集めて宗教活動の第一歩となる集会を開くことが出来ました。
人々は特に規則や罰則の無い自由さと“自分が神”という教義に惹かれ、次第に信者となって行きます。
やがて、熱心な信者たちの手でB&Bと礼拝堂が修理され見違えるようになった頃、
マッシモは教祖であることの重さを感じ始めました。
それにしても、笑いどころ満載の作品でした~
宗教が金になると考えるのはどこの国でも同じなのですね。
この作品が信心深いイタリアではどんな反応が返ってきたのかは分かりませんけど
日本では思わず笑ってしまう展開が続いていました。
また、マッシモが自分の言葉が信者たちの人生を変えてしまうと思い知った時の姿には考えさせられました。
彼はただ、税金対策のために新興宗教を始めたのです。
でも、彼の言葉は何故か善意にとらえられて信者たちの人生を左右するほどに心に響いてしまいます。
マッシモと信者たちとの言葉への反応のギャップが可笑しかったです。
そして、彼の悪人になりきれないところや自分を信じきれないところが、ちょっと気の毒に感じられました。
ラストシーンで、とうとう絵になってしまったマッシモはやっぱり可笑しい人かもと感じると共に
こんなふうに簡単に宗教が作れるのって怖いなあと感じた1本です。
監督:アレッサンドロ・アロナディーオ 出演:エドアルド・レオ マルゲリータ・ブイ ジュゼッペ・バッティストン
2018年 イタリア 原題:Io c'è