コミック化もされた平山夢明の同名小説を原作に蜷川実花監督が創り上げたサスペンスです。
予告編を観て、独特の世界観だなあと気になっていました。
蜷川実花監督らしい独特の色彩と演出に魅せられてしまうような作品でした。
オオバカナコ(玉城ティナ)は都会の片隅でひっそりと暮らしているような女の子です。
幼い頃に母に捨てられ、祖母と暮らしていましたが、祖母が亡くなった後は独りです。
誰も彼女のことを気にする人は居らず、彼女自身も生きる目的を見失っていました。
ある日、カナコは街頭の宣伝でカラフルな街の写っているポストカードを貰います。
その独特な佇まいに心を惹かれた彼女は、どうしてもその街へ行きたくなってしまいました。
思い切って旅行会社へ行くと、代金は30万円もかかることが分かりました。
今のカナコには到底用意できる金額ではありません。
彼女はネットで高額のバイトを探すと、1回で30万円というぴったりなバイトが見つかりました。
危ないと思いつつもクリックを押して申し込んでしまいます。
でも、それは彼女を予想もしなかった人生へと落としていきました。
それにしても、意外に優しい余韻の残る作品でした~
この日は『いちごの唄』と2本立てで観ました。
メインビジュアルから受ける印象は真逆ですし、『いちごの唄』は心優しい人ばかりなのに対して
今作に登場するのは殺人者ばかり… なのに、ヒロインの境遇がちょっと似ているのです。
ヒロインが主人公と関わっていく中で次第に前向きになっていくという展開も近くて、
こんなに痛そうで血がいっぱい流れるのに、根底にあるものはシンデレラストーリーのようでした。
あと、さすがは蜷川実花監督ですね~
ビジュアルがとてもゴージャスで、殺人のシーンなのに綺麗だなあとスクリーンを見つめていました。
舞台のような演出がところどころで使われているのも面白かったです。
ヒロインの体験していく残酷さや哀しさもファンタジーのような雰囲気に飲み込まれていきました。
観終った時、藤原竜也さんがオールメキシコロケで続編熱望というのも分かるなあと思った1本です。
監督:蜷川実花 出演:藤原竜也 玉城ティナ 窪田正孝 本郷奏多 武田真治 蜷川幸雄 小栗旬 土屋アンナ 真矢ミキ 奥田瑛二
2019年 日本
(20190715)
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