1986年3月1日、高校時代の出来事から始まる物語です。
高校生の弥生(波瑠)は正義感の強い女の子。
重い病気を抱えている親友のサクラ(杉咲花)のことを大切に思っています。
ある朝、教室へ行くとサクラの病気をネタにした酷い悪口が黒板に書き散らされていました。
弥生は同級生たちに怒りを爆発させると、サクラをかばう行動を起こします。
その様子を観ていた隣のクラスの太郎(成田凌)は弥生へ恋心を抱き始めました。
でも、サッカーが上手くて明るい人気者の太郎はサクラの片想いの相手です。
弥生が入院したサクラのために太郎をお見舞いへ誘うようになると、3人は仲の良くなりました。
でも、サクラは卒業を待たずに亡くなってしまいます(T_T)
お互いに想いを残しつつも、弥生と太郎は卒業式の後に挨拶をして別々の人生へ向かっていきました。
それにしても、本当に30年を見せてくれる作品でした~
二人は高校を卒業してそれぞれの人生を歩んでいきます。
弥生は教師を目指して大学へ進学し、太郎はサッカー選手の夢を叶えます。
でも、運命は二人に辛い試練を課していきます。
特に弥生は横暴な父親に悩まされます。
こんな両親のもとに生まれたら、父親の言いなりの母親のように弱くなるか
弥生のように強くなるかしかないだろうなと思います。
ある意味、長女という立場にある彼女は家族を背負わなくてはと思っていたのかも知れません。
責任感の強い弥生は教師という夢を叶えた反面、遠く離れた家族の不幸を常に心の隅に感じています。
そんな弥生の姿は観ていてとても切なかったです。
一方の太郎の人生もそうそう上手くは行きません。
出来ちゃった結婚をした太郎を待っていたものは幸せだけではありません。
やがてはしっかり者の母(黒木瞳)に心配されるまでになってしまいます。
そして、そんな二人がようやく向き合えた30年後のシーンには本当にほっとしてしまいました。
なんとなく朝のテレビ小説をぎゅーっと凝縮したような濃厚さでした。
30年を日めくりカレンダーをめくるように3月のひと月で描くアイディアはテンポがよくて、
予想よりも見やすかったです。
観終わった時、どんなに辛い人生を送っていても、自分の想いにちゃんと向き合わなくては
いけないなあとしみじみと思った1本です。
監督:遊川和彦 出演:波瑠 成田凌 杉咲花 岡田健史 小澤征悦 岡本玲 夙川アトム 矢島健一 奥貫薫 橋爪淳 黒木瞳
2020年 日本
(20200128)
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公式サイトはこちらへ https://yayoi-movie.jp/追伸
この映画は試写会で観ました。公開は3月20日以降の予定です。