私の日々の楽しみのひとつ、通勤電車の中で読んだ文庫本の中で面白かった本の感想です。
今回の本は『稲荷書店きつね堂 犬神書店員来たる』です。
『稲荷書店きつね堂 犬神書店員来たる』 蒼月海里 著 ハルキ文庫
蒼月海里さんは『幽落町おばけ駄菓子屋』シリーズや『華舞鬼町おばけ写真館』シリーズなどで
人気の作家さんです。
元書店員さんなので出版流通についても精通されていて、読んでいてためになります。
私は前作の『稲荷書店きつね堂』で初めて出会いました。
前作の出だしはこんな感じです。↓
舞台は東京下町。小さな書店さんの隣にはひっそりとお稲荷さんが奉られていました。
ある日、その書店を一人で営んでいたおじいさんがお稲荷さんの前で倒れてしまいます。
このままだと誰にも気付かれずに大変なことになってしまう…
毎日お参りに来てくれていた優しいおじいさんを助けたいと願った狛狐のよもぎは、
稲荷神の力で少年の姿を得ます。
おじいさんの命を救ったよもぎは、書店の継続を諦めかけていたおじいさんを励ますために、
書店を続ける手助けをしていこうと心に決めました。
続編の『稲荷書店きつね堂 犬神書店員来たる』では、よもぎとおじいさんの前に
犬神の千牧君という強力な助っ人が登場します。
よもぎは真面目な頑張り屋さんですけど、まだまだ知らないことが多く
周りに助けてもらわないと前へ進めません。
また、千牧君という仲間が出来たことを嬉しく思いつつも、
自分とは違う魅力を持った彼に複雑な気持ちも抱えてしまいます。
素直な心を持つよもぎが前向きになろうと悩みつつも
書店を立て直そうと頑張る姿に応援したくなってしまいました(^^)
何と言っても、よもぎがめちゃくちゃ可愛いです。
いい人たちで綴られる物語は癒されますね~
また『幻想古書店で珈琲を』のシリーズのキャラクターもゲスト登場してワクワクしました。
可愛いファンタジーなのですけど、たまにはこんなに可愛い物語もいいなと感じました。
この世界が現実だったらいいのになあと、ついつい思わずにはいられなかった1冊です。
(20200412)