特殊能力を持って生まれて来た3人の若者たちを巡る物語です。
書店員の三角(志尊淳)は街中で出会った霊に気付くと目を逸らし歩み続けました。
子供の頃から霊が見えることに苦労してきた三角にとって、霊は避けるものなのです。
偶然、その様子を見かけた冷川(岡田将生)は三角に霊が見えていることを感付くと、
そのまま三角を追って行きました。
冷川が三角を観察していると、彼は書店の中に入り込んできた霊を前に怯え始めました。
そんな三角に声を掛けた冷川は、彼に触れて彼の視野を共有します。
冷川も霊を見たり除霊が出来るような特殊な能力の持ち主だったのです。
三角の視野で観た霊の鮮明さに驚きながら除霊をした冷川は
彼に自分の下で働かないかと誘います。
僕といれば怖くなくなると言う冷川の言葉に惹かれた三角は
冷川の事務所で働くことにしました。
ある日のこと。冷川の能力を頼りにしている刑事・半澤(滝藤賢一)から仕事の依頼が来ました。
犯人が自殺をした殺人事件の被害者の遺体の一部が行方不明のため見つけて欲しいというのです。
自殺した犯人の霊に出会うことが出来た彼らは、無事に不明の遺体を発見します。
その時、二人は犯人の恨みがましい叫び声を聞きました。
「ヒウラエリカにだまされた」と…
それにしても、切ない物語でした。
冷川やヒウラエリカは能力のために親から宗教法人へ引き渡されたという過去があります。
二人とも肉親の愛に薄い子供時代を送っていたのです。
また、三角は能力のために孤独な想いを抱えながら生きてきました。
物語は彼らの心の痛みと共に、子供の頃の記憶を失っている冷川の過去へと迫っていきます。
ちょっと普通には読めない性格をしている冷川の子供の頃の体験はもの凄かったです。
その真実と残酷さには圧倒されました。
そして、何と言っても主役の3人がぴったりの配役で良かったです~
不思議な雰囲気を持つ岡田さんと平手さんの存在感がいいですね。
また、志尊さんの演技には引き込まれました。
一つの事件が終わった時、彼らに少しだけ平穏が訪れたようでほっとしました。
でも、観終わった時、それだけでは終わらないのかなあとちょっと怖さを感じた1本です。
監督:森ガキ侑大 出演:岡田将生 志尊淳 平手友梨奈 滝藤賢一 筒井道隆 マキタスポーツ 新納慎也 桜井ユキ 和久井映見
2020年 日本
(20201215)
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公式サイトはこちらへ https://movies.shochiku.co.jp/sankakumado/追伸
この映画は試写会で観ました。公開は1月22日の予定です。