7つの国の子供たちを描いた7つの物語です。

『タンザ』
ルワンダの少年の物語。ほとんど無表情で黙々とゲリラ行動を行なう少年兵タンザ。
彼の流す涙は本当に哀しかったです。

『ブルー・ジプシー』
セルビア・モンテネグロの少年の物語。少年院を出入りしている少年ウロスの現実を
軽快な音楽と共に見せてくれました。可笑しさと哀しさが入り混じった不思議な印象の作品です。

『アメリカのイエスの子ら』
ブルックリンの少女の物語。エイズの問題と共に、戦争によってもたされる痛みは
こういうところにも来てしまうのか…と考えさせられました。

『ビルーとジョアン』
ブラジルの兄妹の物語。人力車で廃品を集めて生計を立てている二人の1日を描いています。
困難を機転で乗り越えていく幼い二人を見て、なんか逞しいなあと感じました。

『ジョナサン』
イギリスのフォトジャーナリストの物語。戦場の悲惨さに傷ついた男が体験する不思議なファンタジーです。
子供たちのもつ輝きに、ちょっと癒されたような気分になりました。

『チロ』
イタリアの少年の物語。生きるために窃盗団の下っ端として盗みを働く少年チロ。
ボスへ盗品を渡した後にねだる“おまけ”の可愛さとやりきれないような表情が切なかったです。

『桑桑(ソンソン)と小猫(シャオマオ)』
中国の少女たちの物語。高級住宅街で裕福な暮らしをしている少女・桑桑と、
親に捨てられて、クズ拾いで生計を立てている老人に育てられた少女・小猫。
二人の笑顔がとても印象的でした。

と、とても簡単に感想を書いてみましたm(__)m
さすがは世界で活躍している監督たちが作った作品で、見応えがありました。
子供たちの一瞬の表情を映し出している映像は、どれも印象的でした。

子供は親を選べないし、生まれる国も選べない。
そんな中でも日常を自分の中に取り込んで生きている姿は、弱さと共に逞しさを感じました。
でも、彼らだって本当は悪いことはしたくないし、学校へ行きたいし、笑顔で遊びたい。
そんなささやかな願いをも壊してしまうような現実の非道さが哀しかったです。

子供たちのためにも大人がしっかりしなくちゃと改めて感じた1本です。

監督:メディ・カレフ エミール・クストリッツァ スパイク・リー カティア・ルンド ジョーダン・スコット リドリー・スコット ステファノ・ヴィネルッソ ジョン・ウー
2005年製作 イタリア/フランス 原題:ALL THE INVISIBLE CHILDREN/LES ENFANTS INVISIBLES
(070612)