昨年は『リトル・ミス・サンシャイン』を観られて映画祭に来て良かった~と思いましたけど
今年はこの作品に出会い、監督さんのティーチインまで聞けて本当に満足だ~と思いました(^^)

ある日、歯科医をしているアラン(ドン・チードル)は帰宅途中に偶然、長い間合っていなかった
大学時代の親友チャーリー(アダム・サンドラー)を見かける。
渋滞中の車の中から大声で呼んだアランだったが、チャーリーは気付きもしないで去ってしまった。
チャーリーは大学時代のルームメイトであり、青春をともにした仲間だ。
以前のニュースで、彼が家族全員を失ったと知っていただけに、彼の様子が気になり始める。
そして後日、また偶然にもチャーリーを見かけた。
今度は振り向いたチャーリーだったが、彼は親友であるアランの存在を忘れてしまったかようだった…

家族を一度に亡くして心を閉ざしてしまった男の心の再生を描いた作品です。
家族や友情の絆を深く考えさせられました。

家族が亡くなって以来、アパートの管理人と会計士の二人としか会話をせずに過ごしてきたチャーリー。
彼は突然に家族を亡くして以来、ずっと深い悲しみに捕らえられています。
チャーリーの状況を知ったアランは親友だったチャーリーのために何かしたいと考え、
ずっと心を閉ざしてきたチャーリーもアランには少しずつ心を開いていきます。

家族を失った哀しみを胸の奥にしまいこんでいるチャーリーは本当に痛々しくて、観ていて辛かったです。
時々うつろな表情を見せるアダム・サンドラーの演技は、チャーリーの辛さを真っ直ぐに伝えてくれました。
また、そんな彼を助けようと一生懸命になる誠実なアランにドン・チードルはぴったりでした。

監督さんは、心を閉ざさずに心の内を誰かに話すことが大切だと言うことを一番に伝えたかったようです。
ティーチインの最後のほうでも話すことの大切さを一生懸命に語ってくれました。

観終わった時、誰かと話したいなあとちょっと人が恋しくなるような1本です。

監督:マイク・バインダー 出演:アダム・サンドラー ドン・チードル
2007年製作 アメリカ 原題:Reign Over Me
(071023)