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サルバドールの朝 [さ行]

観ると辛そうだな…となかなか劇場に行けなかった作品です。
覚悟はしていましたが、あまりの辛さに打ちのめされてしまいました(T_T)

1970年代のスペインでは、独裁政権の圧政を強いられていた。
体制批判をしただけで死に追いやられた人々がいる現状に憤りを感じていた若者サルバドールは
仲間と知り合って反体制活動へと参加していく。
ある日、街で警察に逮捕されそうになったところでもみ合いになり、警官の一人を死なせてしまう。
彼自身も重傷を負ったが命は取り留めた。
しかし、回復した彼を待っていたものは、刑務所の独房だった…

1974年にスペインで処刑された25歳の青年の物語です。
彼がどんな生き方をし、死んでいったかをしっかりと描いていました。

物語は刑務所に入れられた彼が味方になってくれた弁護士に自分がこれまでにしてきたことを語る
という形式で進んでいきます。
自分も何かしなければと反体制活動を始めたこと。
初めは特にマークもされずに順調な活動が出来たこと。
その頃は彼自身も理想に向けて充実した日々を送っていたと語っています。
しかし、武器を持ち始め、資金作りのために銀行強盗を始めた頃から事態は変わります。
やがて、無謀や油断から起きたいくつかの失敗により、彼も段々と追い詰められていきました。

正直なところ、大義名分はともかく、彼は仲間とともに銀行強盗を何度も行い、
結果的に一人の警官を死なせてしまったので、罪が無いとは言えません。
でも、家族を思いやる優しさや、人間の持つ可能性の大切さを感じさせてくれる彼の人柄に
段々と惹かれていきました。
そして、あまりにも辛い死刑のシーンに理屈も何もかも吹き飛んで、頭が真っ白になってしまいました…

「殉教者にはなりたくない。生きてここを出たいんだ」と言って、最後まで希望を捨てなかった彼の物語を
せめてずっと忘れないでいようと思った1本です。

監督:マヌエル・ウエルガ 出演:ダニエル・ブリュール レオノール・ワトリング レオナルド・スバラグリア
2006年製作 スペイン/イギリス 原題:SALVADOR
(071024)


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コメント 2

たいちさん

意味深い社会派映画ですね。フランコ政権の時代ですね。同時代を描いた「パンズ・ラビリンス」が今公開中ですね。
by たいちさん (2007-10-25 15:32) 

non_0101

たいちさんへ
こんばんは。nice&コメントをありがとうございました!
気になっていたのに観に行く勇気が無くて、公開終了直前にようやく観てきました。
かなりショックだったです(^_^.)
『パンズ・ラビリンス』面白そうですよね!観に行きたいなと思ってます☆
by non_0101 (2007-10-25 22:45) 

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