織田裕二主演のリメイク版です。
戦いの合間にもユーモアが散りばめられていて、思っていたよりも笑いのある作品でした(^^)

ある夜、寂れた神社で密談をしている9人の若侍達がいた。
彼らは家老職に就く者が行なったと思われる汚職に気付き、黒幕を突き止めて正そうとしていたのだ。
彼らはまずリーダーである伊坂伊織(松山ケンイチ)の叔父にあたる城代家老に話をするが
はぐらかすように“危ない危ない”と言って取り合ってもらえなかった。
次に相談した大目付は、初めは渋っていたものの最後は頼もしく協力を約束してくれる。
その話を聞いて喜ぶ若者たちの影から起き上がる者がいた。神社をねぐらとしていた浪人(織田裕二)だ。
彼はその話を聞いていると、協力を約束した家老の方が怪しいと彼らに言う。
密談を聞かれてしまった若侍たちは浪人に向かっていきり立つが、浪人は既に外が囲まれていると指摘する。
彼らが耳を澄ますと、神社は次席家老の侍たちにすっかり囲まれていた…

いつものごとくオリジナルを未見なので、気軽に見てきました。
戦いのシーン等は、やっぱりオリジナルの方が凄いのだろうなあと思いつつも、
主人公たちの繰り広げるとぼけた可笑しさにクスクス笑ってしまいました(^^)

飄々と憎まれ口をたたく主人公・椿三十郎。
正義には燃えているけど、すぐに分の悪い方へと突っ走っていこうとする若侍たち。
若侍たちの中心となりつつも、どうも頼りない伊坂伊織。
荒事はいけませんとのんびりした口調で説く城代家老の奥方。
そして、妙な存在感のある捕虜の侍。みんなみんな楽しかったです。

若侍たちを口悪くも良い方向へと導きながら自体を解決しようとする椿三十郎は
切り合いのシーンになると表情ががらりと変わります。
そこに笑いは無く、戦いを生き生きと行なっている訳でもなく、
腕は強いけど人の命を奪うことを苦悩しているような、そんな顔つきに変わってきます。
そんな椿三十郎に織田裕二さんはとても似合っていました。
また、彼の敵となる室戸半兵衛役の豊川悦司さんは大目付の“懐刀”にぴったりでした。

楽しくてかっこ良くて、お正月にぴったりな時代劇!と思った1本です。

監督:森田芳光 出演:織田裕二 豊川悦司 松山ケンイチ
2007年製作
(071122)